六訂版 家庭医学大全科 「喉頭乳頭腫」の解説
喉頭乳頭腫
こうとうにゅうとうしゅ
Laryngeal papillomatosis
(のどの病気)
どんな病気か・原因は何か
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染によって起こる、良性の腫瘍です。ウイルスは声帯粘膜上皮直下に潜んで増殖します。なお、通常生活で周囲の人へ感染することはありません。
症状の現れ方
乳頭腫により声帯の振動が妨げられ、声がれが起こります。徐々に症状が出ますが、声帯全体に腫瘍が広がった場合には、まったく声が出なくなることもあります。小児では放置していると腫瘍の増殖から気道
乳頭腫自体は本来良性ですが、再発することが多く、治療に難渋することが多い厄介な病気です。なかには数十回に及ぶ手術が必要な場合もあります。また、数%の割合でがん化することもあります。
治療の方法
現状では確立した治療法はありません。
現在はレーザーで
他の治療法にインターフェロンの局所注入療法があり、再発を繰り返す例で劇的な効果が得られる場合があります。また、漢方療法による治療が有効であったとする報告もあります。
手術は全身麻酔下で行うのが一般的ですが、麻酔時に気管内挿管を行う際、チューブによって声帯周囲にあった乳頭腫が
小児の場合、まれに思春期以降に自然消退することが報告されています。
病気に気づいたらどうする
すみやかに専門医の診察を受け、適切な治療を受けてください。治療は長期戦となることが多いので、あせらず医師とよく相談して治療を進めてください。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報