家庭医学館 「喉頭・気管・気管支炎」の解説
こうとうきかんきかんしえん【喉頭・気管・気管支炎 Laryngo-Tracheo-Bronchitis】
いわゆるクループ(しわがれたせきと呼吸困難を特徴とする呼吸器の病気)というものの1つです。喉頭だけに炎症と痙縮(けいしゅく)(けいれんするように収縮する)がみられる急性痙縮性喉頭炎(きゅうせいけいしゅくせいこうとうえん)と症状が似ています。しかし、炎症は喉頭だけでなく、気管支にかけておこっています。ウイルス(数%がマイコプラズマ)が感染しておこります。
[症状]
最初は、かぜの症状ですが、声がかれて「ケンケン」というような乾いたせきが出、息を吸うときにヒーという音がします。喉頭は声を出すところですから、声がれも特徴です。とくに夜にひどくなります。
炎症が気管から気管支に広がってきますと、ほかの気管支炎と同じく、吸うときだけでなく、はくときも苦しくなり、息がたいへん速くなります。
とくに1歳までの子どもは高い熱が出ることも多く、重症になることがあります。また、のどが真っ赤に腫(は)れるのは急性喉頭炎(きゅうせいこうとうえん)(「急性喉頭炎」)ですから、すぐに受診しなければなりません。
[治療]
家ですることは、まず湿度を高めることです。加湿器があれば、加湿した空気を吸わせると楽になります。加湿器がなければ、風呂場(ふろば)の湿度の高い空気や外の冷たい空気を吸わせたり、氷を入れた冷たい水を口にふくませても効果があります。
それでも苦しくて顔色も悪いようなら、すぐ受診しましょう。