室内の乾燥を防ぎ、湿度を適正に保つための電化器具。暖房器を使う場合、温風暖房器などの一部のものは、室内の空気を汚さないという長所がある。しかし、同時に空気が乾燥し、湿度が低下する欠点ももっている。室内の適正湿度は45~65%(相対湿度)といわれ、いわゆる空気を汚さないクリーンなヒーターの場合、暖房器のほかに加湿器も必要となる(ガスや石油を燃焼させるストーブの場合は、炭化水素の燃焼によって水分が発生する)。加湿器には、加湿方法によって次のような種類がある。
(1)気化式加湿器(フィルター気化式) ファンモーターで、水を含んだフィルターに空気を通過させ、湿気を含んだ空気として放出する。室内湿度が低いと加湿量が多く、高いと少なく、自然に加湿量がコントロールされる。
(2)超音波式加湿器 振動子により水中に超音波を発生させ、水を数マイクロメートルの霧状にしてファンモーターで放出する。
(3)遠心噴霧式加湿器(噴霧式) 水を遠心力によって霧状に細かくし、ファンモーターで空気と混合させて放出する。
(4)電熱式加湿器(ヒーター加熱式) 電気ヒーターで水を沸騰させ、蒸気として放出する。他の加湿方式に比べ消費電力が多い。
(5)電極式加湿器 電極を水中に入れ、水中を流れる電流のジュール熱を利用し加熱沸騰させる方式で、熱い蒸気を発生させる。
電熱式や電極式は、容器や電極に含まれているカルシウムなどの蒸発後の残渣(ざんさ)が付着することがあり、たびたび掃除をしなければならない。また、新しい水に交換することがたいせつである。他の加湿方式は、空気を循環させるので、ときどき吸込口フィルターを掃除する必要がある。
[須田 洋]
室内の空気の乾燥によって生ずる,人の肌,のど,鼻の粘膜のかわきや家具,建具などの水分蒸発を防ぐために,空中に水分を放散させる器具。従来の開放型暖房器具は燃焼ガスとともに水蒸気も室内に放出するが,最近普及しつつある温風ヒーターは強制的に燃焼ガス,水蒸気を室外に放出してしまうため,加湿器の需要が高まった。加湿方式には,湯をわかして蒸気を出すスチーム式,遠心力で水滴を噴霧する遠心噴霧式,超音波の振動により霧をおこしファンでふき上げる超音波式,フィルターに吸水させファンにより蒸発させるフィルター気化式の4タイプがある。1968年に遠心噴霧式,70年にスチーム式,71年にフィルター気化式,74年に超音波式が出現し,現在は超音波式が主流となっている。
執筆者:大村 直己
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