家庭医学館 「喉頭軟弱症」の解説
こうとうなんじゃくしょう【喉頭軟弱症 Laryngomalacia】
赤ちゃんの喉頭の軟骨(なんこつ)がやわらかすぎるために、空気を吸うときに軟骨がぺたんとつぶれて狭くなり、空気が吸えなくなって呼吸困難をおこす病気です。
[症状]
息を吸う際に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音(喘鳴(ぜんめい))がし、呼吸のたびにのどや胸がへこみます(陥没呼吸(かんぼつこきゅう))。
呼吸が苦しいためにミルクが十分に飲めなくなり、体重が増加しなくなります。
[治療]
ファイバースコープで喉頭を観察すると、喉頭蓋(こうとうがい)、披裂部(ひれつぶ)、喉頭披裂ひだといった喉頭の軟骨が、空気を吸うときに気管に引き込まれるのがわかります。
先天性の病気ですが、多くの場合、成長とともに6か月から1年で自然によくなります。
呼吸困難の程度と哺乳(ほにゅう)ができるかどうかが、入院の指標になります。
ミルクの飲みがよくて、体重増加がみられれば、家庭で看護することが可能です。
呼吸困難の程度が重症で、陥没呼吸があり、ミルクが飲めない場合は入院します。病院では、上体を高くして腹臥位(ふくがい)にし、酸素投与を行なったうえで、鼻からチューブを入れてミルクを注入するなどの治療が行なわれます。
それでも、成長とともにしだいによくなります。