喬(漢字)

普及版 字通 「喬(漢字)」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 12画

[字音] キョウ(ケウ)
[字訓] たかい・おごる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
夭(よう)+高(こう)。〔説文十下に「高くして曲(まが)れるなり。夭に從ひ、高の省に從ふ」とし、〔詩、周南、漢広〕「南に喬木り」の句を引く。喬を喬木にして、その上枝の曲がる意と解するものであろう。卜文・金文字形に、アーチ状の門を示す高の上に、呪飾として表木を立てたものがあり、いわば桙立(ほこたて)をした建物である。そこに神を迎え、悪邪の出入を呵止する楼門の象であろう。下に祝詞の器である(さい)をおくことは高と同じ。〔詩、周頌、時〕に「喬嶽」の語があり、高くして神聖なものを喬という。〔漢広〕の「喬木」とはいわゆる神の桙杉の類で、神の寄りつくところ、故に下句に「休息(いこ)ふべからず」という。喬とは神を招き、その霊の依るところで、そのような神威をかりて驕ることをという。

[訓義]
1. たかい、たかくそびえる。
2. すぐれる。
3. おごる。
4. 矛の柄の刃に近く、羽飾りをかけるかぎ。

[古辞書の訓]
名義抄〕喬 タカシ 〔字鏡集〕喬 ハシ・エダ・タカシ

[声系]
〔説文〕に喬声として・矯・橋・僑・嬌・驕など十四字を収め、未収の字になどがある。喬の声義を承けるものが多い。他に跨越するなどの意がある。

[語系]
喬・・翹giは同声。驕・矯kikhi、高kなども声義が近い。高の上にそのような呪飾を立てるのは、敵に対してその神威を示し、驕る行為であったのであろう。

[熟語]
喬柯喬岳喬竿喬詰喬怯喬喬・喬・喬才喬志・喬樹・喬松喬竦喬粧・喬人喬勢喬遷・喬喬装喬麦喬扮喬忿喬峯・喬木・喬様・喬林
[下接語]
遷喬・重喬・凌喬

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android