中国の作家老舎(1899―1966)の100章三部作からなる抗戦期の代表的長編小説。第1部「煌惑(こうわく)」34章(1944~45)、第2部「偸生(とうせい)」33章(1946)、第3部「飢荒(きこう)」〔1950年に20章まで発表。後半33章までの13章は亡失、82年Ida Pruitによる英抄訳本『The Yellow Storm』(1949・ニューヨーク)より馬小彌が重訳復原〕。北平(ペイピン)(現北京(ペキン))の小羊圏胡同(シヤオヤンチュワンフートン)に住む4世代同居の祁(チー)一家を中心にさまざまな町内の人々の伝統を愛する平穏な暮らしが、日本軍の北平占領によって脅かされ破壊される姿を克明に描き出し成功している。愛する北京が無惨にさびれ、飢えと死の恐怖、漢奸(かんかん)や特務の横行に、ただ当惑し、苦悩しながら生を偸(ぬす)むように生きる北平人もやがて抵抗に立ち上がる。密告、投獄、虐殺、餓死、凍死の続出するなかで庶民の抵抗運動も発展し、やがて日本投降の日を迎える。
[伊藤敬一]
『日下恒夫訳『老舎小説全集 8~10 四世同堂』(1983・学習研究社)』
… 父系拡大家族は,中国の古い型の家にその典型的な例が見いだされる。そこでは,家長夫婦のもとに息子たちが結婚後も同居し,四世同堂(3世代にわたる父系の老若の夫婦が未婚の子とともに同居すること。同名の老舎の小説がある)を理想とする。…
… 1946年,招かれて渡米。アメリカ滞在中に,親子4代が同居する北京の大家庭の人々の日本軍占領下における生活を描いた100万字にのぼる三部作《四世同堂》を発表。新中国成立直後に帰国し,北京の貧民窟の変貌と新生を描いて新中国をたたえた戯曲《竜鬚溝(りゆうしゆこう)》によって,北京市から人民芸術家の称号を贈られた。…
※「四世同堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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