特務(読み)トクム

デジタル大辞泉 「特務」の意味・読み・例文・類語

とく‐む【特務】

特別の任務
[類語]雑役実務事務業務雑務要務激務急務庶務総務労務公務校務学務教務会務社務商務宗務乗務

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精選版 日本国語大辞典 「特務」の意味・読み・例文・類語

とく‐む【特務】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 特別の任務。特殊な任務。
    1. [初出の実例]「南支の海賊の中に特務を帯びて潜入していたことが自慢で」(出典:ノリソダ騒動記(1952‐53)〈杉浦明平〉三)
  3. とくむじゅんさ(特務巡査)」「とくむそうちょう(特務曹長)」などの略。
    1. [初出の実例]「特務らしい男が一人、劔をがちゃがちゃさせて、門から出て来た」(出典:一兵卒の銃殺(1917)〈田山花袋〉二)

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改訂新版 世界大百科事典 「特務」の意味・わかりやすい解説

特務 (とくむ)
tè wù

国民政府統治の中国で,国民党およびその政府の秘密工作員,密偵に対する呼称蔣介石は1929年にCC系,32年に藍衣社を腹心に作らせ,独裁体制の支柱としたが,それぞれに調査科,特務処というスパイ専門機構を置いた(のちに前者は中央党部調査統計局,後者は軍事委員会調査統計局に発展)。それらは全国に網をめぐらして情報の収集,人民監視に任じたほか,監禁誘拐暗殺などの不法活動を日常に行い,人々の恐怖の的であった。なお,旧日本軍の特殊任務をもって活動したものについては〈特務機関〉の項を参照されたい。
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