四日市喘息訴訟(読み)よっかいちぜんそくそしょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

四日市喘息訴訟
よっかいちぜんそくそしょう

三重県四日市市の第一コンビナートを構成する石油精製、火力発電所、石油化学工業の六社を被告として、コンビナート南東部に位置する磯津(いそつ)地区の住民12名が、被告六社から排出される硫黄(いおう)酸化物を主体とする大気汚染により喘息等の疾病にかかったとして損害賠償を請求した事件。1972年(昭和47)7月24日、津地方裁判所四日市支部判決は、原告らの喘息等の疾病と大気汚染との因果関係を肯定し、各工場の大気汚染源の排出と疾病との因果関係については民法第719条1項の共同不法行為の規定を適用してこれを肯定し、さらに被告らの過失をも肯定して、結局被告六社全部に連帯して合計8800万円余りの損害賠償を支払うよう命じた。この判決は、公害健康被害補償法を制定させる契機となるなどその後の公害被害者の救済面に大きな影響を及ぼした。[淡路剛久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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