四書大全(読み)ししょたいぜん

精選版 日本国語大辞典 「四書大全」の意味・読み・例文・類語

ししょたいぜん【四書大全】

  1. 四書の注釈書。三六巻。中国、明の永楽帝の命により胡広らが編集。宋代の朱子学解釈を集成したもの。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「四書大全」の解説

『四書大全』(ししょたいぜん)

明代にできた四書の注釈書。36巻。永楽帝の命により胡広(ここう)らが編纂。1415年成立。解釈は朱子学の説により,科挙試験基準とされた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「四書大全」の解説

四書大全
ししょたいぜん

明の永楽帝の命で胡広 (ここう) らが編集した四書の注釈書
1415年刊。36巻。四書の朱熹の注に関する宋の学者の説を集め,四書解釈の標準国定教科書,科挙受験の参考書となった。同時に『五経大全』も作られ,以後,科挙の受験者はこれらを暗記するのみで,明・清代の知識階級の自由な研究心は阻害された。

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世界大百科事典(旧版)内の四書大全の言及

【経学】より

…程子(程頤,程顥)や司馬光が〈中庸,大学〉の2篇を《礼記》から抜きだして《論語》《孟子》と組んで〈四書〉として尊奉し,南宋の朱熹(子)がみずからの哲理にもとづく〈章句,集注(しつちゆう)〉を作って〈五経〉へ導入する必携書と規定した。元・明期を通じて,朱子の四書注釈が科挙に課せられ,この新注による勅撰の《四書大全》が著されて,いっそう古注系の経学は軽視された。 明末・清初の陽明学の流行により,朱子学批判が旺盛になる一方,社会の動揺に対処する,東林党などの経世のための実学が主唱され,明朝の滅亡と異民族支配から王夫之,顧炎武,黄宗羲らのつよい民族意識にささえられた,史的実証的で博学と実践を重んずる経学,史学があらわれた。…

【四書】より

…煩雑で難解な五経よりも,簡潔でかつ要点を得た思索的な内容が当時の好みに合致し,さらに朱子学が科挙の試験科目になると,四書の勉学は必須のものとなった。《四書大全》36巻は明の胡広らの編纂(1415)で,その受験参考書として有名であるが,内容は粗雑である。四書は江戸時代にも広く読まれ,日本人の教養を育てるうえでも重要な役割を果たした。…

※「四書大全」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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