回状(読み)カイジョウ

デジタル大辞泉 「回状」の意味・読み・例文・類語

かい‐じょう〔クワイジヤウ〕【回状/×廻状】

関係者の間で連絡事項を回し読みさせる文書回章
江戸時代領主が村から村へ年貢収納・夫役などの用件を通達した書状

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「回状」の意味・読み・例文・類語

かい‐じょうクヮイジャウ【回状・廻状】

  1. 〘 名詞 〙
  2. かいぶん(回文)
    1. [初出の実例]「去年三月廿一日灌頂院御影供廻状、仏土院被載了」(出典:東寺百合文書‐ち・永享九年(1437)四月四日・二十一口方評定引付)
  3. ある事柄を知らせるため、必要な所に配布される書状や書類。
    1. [初出の実例]「公儀の御たづね二千里の月〈志計〉 廻状に初雁金のあととめて〈卜尺〉」(出典:俳諧・談林十百韻(1675)上)
  4. 特に江戸時代に、領主が村々へ年貢取立て、夫役などの用件を通達するための書状。各村の名主(なぬし)はそれに判を押して次の村へ渡し、最後の村(留り村)から発行者(代官所)へもどす。また、村方が独自に出す場合もある。〔島田駿司家所蔵文書‐嘉永六年(1853)四月二五日・館山四ケ浦廻状

まわり‐じょうまはりジャウ【回状】

  1. 〘 名詞 〙 順次に回覧して用件や命令などを伝える書状。回文。かいじょう。〔ロドリゲス日本大文典(1604‐08)〕

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