図書カード(読み)トショカード

デジタル大辞泉 「図書カード」の意味・読み・例文・類語

としょ‐カード【図書カード】

カードに記載されている金額の範囲内で、図書雑誌を購入できるプリペイドカード。日本図書普及株式会社が発行しており、従来図書券に代わり平成2年(1990)から販売開始。正式名称は全国共通図書カード

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「図書カード」の意味・わかりやすい解説

図書カード
としょかーど

書籍や雑誌などの図書購入の代金決済に用いられるプリペイド式カード。あらかじめ書店で購入して使用するが、おもに贈答用や祝儀用などとして用いられる。額面は500円、1000円、2000円、3000円、5000円、1万円の6種類があり、書店の専用端末で利用額を減額処理し、額面金額いっぱいまで繰り返し利用できる。日本図書普及株式会社(東京都新宿区)が発行。全国の取扱い書店で常時販売されている一般カードと、独自に注文製作できるオリジナルカードの2種類がある。2016年(平成28)12月時点で、磁気データを塗布したPET(ペット)(ポリエチレンテレフタレート)素材の「全国共通図書カード」(発行期間1990~2016年5月末)と、QRコードが印刷された紙製の「図書カードNEXT(ネクスト)」(2016年6月から新規発行)の2種類が使われている。

 全国共通図書カードは、「本の商品券」として普及していた全国共通図書券(1960~2005年に発行、紙製)の精算業務を電子化すると同時に、カード化で利便性を向上させて新市場を開拓する目的で1990年(平成2)に発行された。使用するとパンチ穴が開く。利用の有効期限はない。読取り機の設置台数は全国約1万2000台(2016年3月末時点)。カードには金額の磁気情報が入っているため、偽造や不正利用のおそれがあるほか、読取り専用機を製造するメーカーが減少し、カード利用の永続性に問題があった。このため日本図書普及はカードの安全性を高め、永続的に利用できるように、カード残高をサーバー一括管理する図書カードNEXTの発行に切り替えた。書店の専用端末で図書カードNEXTのQRコードを読み取って決済する。使用する際にはパソコンやスマートフォンからQRコードにアクセスし、カードに印刷されたID番号、PIN番号を入力すると、残額のほか使用日時、金額、書店名などの利用履歴を確認できる。QRコードには複製できないよう特殊加工が施されている。使用してもパンチ穴は開かない。有効期限は10年。専用端末の設置台数は1万2000台(2016年6月時点)。日本図書普及は初年度4000万枚の発行を計画している。

[矢野 武 2017年2月16日]

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