プリペイドカード(読み)ぷりぺいどかーど(英語表記)prepaid card

翻訳|prepaid card

デジタル大辞泉 「プリペイドカード」の意味・読み・例文・類語

プリペイド‐カード(prepaid card)

前払い購入し、自動販売機や店頭などで現金と同じように使うことができるカード資金決済法の適用を受ける。料金先払い方式カード。図書カードテレホンカードSuicaICOCAPASMOなど。⇔ポストペイドカード

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精選版 日本国語大辞典 「プリペイドカード」の意味・読み・例文・類語

プリペイド‐カード

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] prepaid card ) 現金前払いのカード。機械にさし込むことにより、カードの代金の範囲内で切符その他少額の物品の購入や電話などのサービスを、現金の授受なしに受けることができる。テレホンカードなどがその例。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プリペイドカード」の意味・わかりやすい解説

プリペイドカード
ぷりぺいどかーど
prepaid card

あらかじめ消費者が金銭を支払ってカードを購入し、商品・サービスの提供を受ける際にそれを代金決済のために使用する支払手段である。プリpreは「まえもって」、ペイドpaidは「支払われた」を意味する。代金前払いカード、料金先払いカードともよばれる。

 保有者がカードを用いて支払いをする際に、何を用いて自分の権利の照合を行うかについて、四つに区別される。QUO(クオ)カード、図書カードなど磁気を用いた磁気型、Suica(スイカ)、PASMO(パスモ)などIC(集積回路チップを用いたIC型、WebMoney(ウェブマネー)、BitCash(ビットキャッシュ)など発行者の管理サーバーに記録された利用者金額とID(認証番号)を用いるサーバー管理型、ビール券、百貨店共通商品券など紙媒体を用いる紙型が存在している。IC型プリペイドカードは電子マネーとも称されている。購入者側には、小銭所持の不要、釣銭不要による決済の迅速、プレミアムがつく場合の割引の魅力、贈答への利用性など、また発行者側には、代金回収の合理化・リスク回避、前払い代金による資金運用、顧客の固定化、カード表(おもて)面の広告利用など、双方にとって利便性があり、キャッシュレス社会の日常消費生活に浸透している。

 プリペイドカードに適用される法律として、かつては「前払式証票の規制等に関する法律」(平成1年法律第92号。「前払式証票規制法」と略称)が存在していた。同法はサーバー管理型プリペイドカードを適用対象としていなかったなど、急激に発展している資金決済の実情に合致していなかった。そこで、資金決済サービスのインフラストラクチャー(基盤)整備の充実等への要請から、2009年(平成21)に「資金決済に関する法律」(平成21年法律第59号。「資金決済法」と略称)が制定され、同法内に「前払式支払手段」に関する法規制が設けられたことを受け、前払式証票規制法は廃止された。同法は、資金決済に関するサービスの適切な実施を確保し、その利用者を保護するとともに、サービスの提供の促進を図るために必要な措置を講じ、資金決済システムの安全性、効率性および利便性の向上に資することを目的とする。

 プリペイドカードの形態は、発行者および発行者の密接関係者に対してのみ使用できる自家型と、それ以外の(カード発行者以外の者に対しても使用できる)第三者型とに区分され、自家型発行者については内閣総理大臣への届出制とし、第三者型発行者については登録制とするほか、立入検査業務改善命令などの規制が加重されている。また、いずれの形態でも、発行者の倒産などで使用不可となった場合に備えて前受金保全措置がとられており、基準日未使用残高が1000万円を超えるときは、その残高の2分の1以上の額の発行保証金を供託することが義務づけられる。そのほか、前払式支払手段への利用条件の表示義務、認定資金決済事業者協会(2020年12月時点では日本資金決済業協会、日本暗号資産取引業協会が認定)に関する規定が置かれている。

[福原紀彦・武田典浩 2020年4月17日]

『小塚荘一郎・森田果著『支払決済法――手形小切手から電子マネーまで』第3版(2018・商事法務)』『阿部高明著『クレジットカード事件対応の実務――仕組みから法律、紛争対応まで』(2018・民事法研究会)』『堀天子著『実務解説 資金決済法』第4版(2019・商事法務)』

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百科事典マイペディア 「プリペイドカード」の意味・わかりやすい解説

プリペイド・カード

料金前払式カード。磁気ストライプなどにより金額などが記入され,消費者が前もって購入し物品・サービス提供を受ける際に決済のために使用。この点で代金後払のクレジット・カードの逆。日本では1982年NTTテレホンカードを発行したのが最初。利用者保護のため〈前払式証票の規制等に関する法律〉が1989年制定された(1990年施行)。テレホンカード以外にJRのオレンジカード,高速道路の通行カード,パチンコカード,バスカードなど幅広い分野で発行されており,同一のカードで電車とバスが共用できるものもある。テレホンカードを中心にカードデザインの面白さが付加価値を生み,普及を促している側面もある。
→関連項目カード犯罪パチンコ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プリペイドカード」の意味・わかりやすい解説

プリペイドカード
prepaid card

代金前払いカード。日本電信電話 NTTのテレホンカードをはじめ,JRのオレンジカードなどに代表される磁気記録を利用した磁気カードは,現金を必要としないこと,現金よりも 3~7%程度多く使える割増サービスがついたことなどから,百貨店,スーパーマーケットの商品券代わりに発行されるなど広く普及した。しかし,磁気カードは偽造や変造のおそれがあるため,東日本旅客鉄道の Suicaなどに代表される,書き換え・再利用可能な ICカードが用いられるようになった(→ICカード乗車券)。これは券売機で必要金額をチャージするもので,プリペイド乗車券の機能のほか,電子マネーとして買物ができる機能もある。これらにクレジットカードの機能をもたせてチャージ不要とすることも行なわれている。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「プリペイドカード」の解説

プリペイドカード

現金の代わりに使用できる磁気カード。あらかじめ前払いで支払った金額分の商品を購入できる。テレホンカードやパスネットなどが代表的。最近では、オンラインショッピング向けのプリペイドカードとして、BitCashやWebMoneyなどもある。

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