QRコード(読み)きゅーあーるこーど

日本大百科全書(ニッポニカ) 「QRコード」の意味・わかりやすい解説

QRコード
きゅーあーるこーど

縦と横、二次元の図形を使って情報を記載する記号体系である二次元コード一種。二次元コードのなかではもっとも普及している。縦横同数の正方形を使って情報を記録するもので、一辺が21個の正方形からなるバージョン1から一辺が177個のバージョン40まで40通りの仕様がある。もともとは、デンソーウェーブ(開発当時は自動車部品メーカー、デンソーの一部門)が開発し、1994年(平成6)に発表したもの。その後、1999年にJIS(ジス)(日本工業規格。現、日本産業規格)、2000年(平成12)にISO(国際標準化機構)の国際規格として制定され、広く使われるようになった。

 QRコードには、大容量情報を収納可能、小スペースに印字や印刷が可能、かなや漢字などを効率よく表現できる、汚れなどに強い、どの方向からも読み取りができるなどの特長がある。情報量は、数字で最大7089字、英数字で4296字、漢字で1817字。バーコードなどと同様に専用機器によるスキャンが基本となるが、携帯電話をはじめとする携帯端末内蔵のデジタルカメラからの読み込みも可能なため、さまざまな分野で活用されるようになった。また、QRコードの情報量を減らしてよりコンパクトにしたマイクロQRコードがあり、2004年にJIS規格に制定されている。その後もさまざまな用途需要にあわせたQRコードが開発されている。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「QRコード」の意味・わかりやすい解説

QRコード
キューアールコード

二次元の模様に文字,数字などの情報を載せる技術,またはその模様のこと。はしご状の一次元模様に数字などの情報を入れたバーコードは,載せることのできる情報量が面積の割に小さいことが問題となっていた。そこで,これまで情報を入れていない方向にも情報を入れ,二次元の白黒マトリックス状のコード図形をつくる方法が 1994年にデンソーから発表された。コードは 21セル×21セルから 177セル×177セルのものまでの格子からなり,数字なら最大 7089字,漢字でも同じく 1817字が記録可能で,バーコードの数十倍から数百倍の情報を格納できる。誤り訂正機能を内蔵しているので汚損などにも強く,携帯電話などの端末でも読み取りや識別が可能であるなどの特徴から,普及が進んでいる。QRコードはデンソーウェーブの登録商標で,同社は特許を保有しながら権利行使を行なわないとしている。

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