国友鉄砲鍛冶(読み)くにともてっぽうかじ

百科事典マイペディア 「国友鉄砲鍛冶」の意味・わかりやすい解説

国友鉄砲鍛冶【くにともてっぽうかじ】

近江(おうみ)国坂田郡国友村(長浜市)の鉄砲製造鍛冶。1543年の鉄砲伝来後,その製造技術が国友村にも伝えられ,戦国末,織田信長ら諸大名の需要に応じて,堺とともに鉄砲製造で繁栄。1617年江戸幕府の御用鍛冶職となった。1817年鍛冶職総代となった国友藤兵衛〔1778-1840〕は一貫斎と号し,科学者としてもすぐれ,空気銃反射望遠鏡を製作し,1年余にわたり太陽黒点観測。《大小御鉄炮張立製作》を著した。
→関連項目種子島銃

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国友鉄砲鍛冶」の意味・わかりやすい解説

国友鉄砲鍛冶
くにともてっぽうかじ

近江国坂田郡国友村 (現滋賀県長浜市内) の鉄砲鍛冶豊臣秀吉徳川家康は,新兵器としての鉄砲の価値を認めてその製造に力を入れ,これを保護し,元和3 (1617) 年,家康は幕府の御用職として直接掌握した。江戸時代後期の科学者国友藤兵衛はこの出身である。彼は風砲 (空気銃) をはじめ,水揚げ,空船の製作,さらに天体望遠鏡発明や太陽黒点の観測などを行なった。著書に『大小御鉄砲製作之法』『気砲記』『天体観測関係文書』などがある。

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