数理情報科学に関する問題をプログラミングによって解くことを競う国際大会。国際科学オリンピックの一つである。略称IOI。参加選手は高校生までの生徒が対象で、数理情報科学の問題解決能力に秀でた学生をみいだし、その能力を育成することを目的とする個人戦である。第1回大会は1989年にブルガリアで開催され、毎年1回、約80か国・地域が参加して行われている。各国4名まで代表選手を派遣することができる。開催地は立候補した参加国のなかから選ばれ、持ち回りで運営されている。日本は1994年(平成6)に行われた第6回スウェーデン大会に初めて選手団を派遣し、その後は参加した選手の多くがメダルを獲得している。2018年(平成30)の第30回大会は茨城県つくば市で開催され、87か国・地域から335名の選手が参加した。
大会は2日間の日程で行われ、1日5時間に3問を解くことを課される。選手は、設問を解くためにアルゴリズムを考えることから始めて、それに基づいてプログラムを書き、完成したプログラムを実際にコンピュータ上で実行してみることによって結果の正しさを競い合う。ただし、コンピュータ上で実行する際には、使用メモリ量や実行時間に厳しい制約が設けられるため、プログラミングの技能だけでなく、優れたアルゴリズムを設計する数理的能力が必要になる。成績優秀者には上位から順に、参加者の約12分の1に金メダル、続く約12分の2に銀メダル、続く約12分の3に銅メダルが授与される。
国際大会に出場する選手を選抜する日本情報オリンピックは、一般社団法人情報オリンピック日本委員会が運営している。
[編集部]
(2012-10-09)
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