国際温度目盛り(読み)こくさいおんどめもり(英語表記)international temperature scale

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際温度目盛り」の意味・わかりやすい解説

国際温度目盛り
こくさいおんどめもり
international temperature scale

1989年,国際度量衡委員会決議に基づいて定められた温度目盛り平衡水素三重点,水の三重点,銀・金・銅の三重点など 3K (ケルビン) から 1358Kの間に 17の定義定点があり,定点以外の温度は所定の公式によって決められる。これを ITS-90 と呼ぶ。この定義では,水の沸点は定義定点ではなくなり,標準気圧下でその値は 99.974℃となる。国際標準系SIでは,温度の単位 1Kは,水の三重点の熱力学的温度の 273.16分の1と定義される。したがって,本来温度目盛りは熱力学的温度目盛りに準拠して決められるべきであるが,実用的には,再現が可能で,熱力学的温度に十分近い値をもつ定義定点の組を国際的に取り決めることにより実現される。常用されるセルシウス温度 (t90/℃) と国際ケルビン温度 T90/K の間には,t90T90-273.15 の関係がある。温度目盛の国際的な取決めは,1927年に始り,その後 48年,60年,68年,に改定が行われた。これまで使用されてきた 68年の国際実用温度目盛り (international practical temparature scale,IPTS-68) T68T90 の間には,常温域で 0.008K,高温域では 0.3~2.5Kの差があるので注意する必要がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android