日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
国際農林水産業研究センター
こくさいのうりんすいさんぎょうけんきゅうせんたー
熱帯・亜熱帯地域や開発途上地域における農林水産業の研究を行う農林水産省所管の国立研究開発法人(独立行政法人)。英語名はJapan International Research Center for Agricultural Sciences、略称はJIRCAS(ジルカス)。「国立研究開発法人国際農林水産業研究センター法」(平成11年法律第197号)を根拠法とする。本部は茨城県つくば市大わし。1970年(昭和45)農林省熱帯農業研究センターとして発足、1993年(平成5)、新たに水産業研究部門を加えて国際農林水産業研究センターと改称した。2001年(平成13)4月に独立行政法人となり、2008年には独立行政法人緑資源機構の解体に伴い、その海外農業関連事務を継承。2015年4月に国立研究開発法人に移行した。
国際農林水産業研究センターは、熱帯・亜熱帯に属する地域その他開発途上にある海外の地域における農林水産業に関する技術上の試験および研究等を行うことにより、これらの地域における農林水産業に関する技術の向上に寄与することを目的としている。そのために6領域(農村開発、社会科学、生物資源・利用、生産環境・畜産、林業、水産)の研究開発を行い、沖縄県石垣市には熱帯・島嶼(とうしょ)研究拠点を置いている。おもな活動としては、研究者の派遣・招聘(しょうへい)による国際共同研究の推進、海外情報の収集・分析・提供および広報、国際シンポジウムやワークショップ等の開催、政府や他機関との科学技術に関する国際連携や交流、などがある。
[編集部 2017年11月17日]