土丸城跡(読み)つちまるじようあと

日本歴史地名大系 「土丸城跡」の解説

土丸城跡
つちまるじようあと

[現在地名]泉佐野市土丸

土丸集落の南東、標高二八〇メートル余のあめ山頂上付近の平坦地に築かれた山城。西に粉河こかわ街道を見下ろす要害の地で、成合なりあい(現泉南郡熊取町)の雨山城とあわせて土丸雨山城・雨山城とよばれることもあった。多くは土(鎚・槌とも)丸城と記される。

貞和三年(一三四七)一一月晦日、北朝方和泉守護細川顕氏が楠木正行の率いる南朝軍に敗戦を重ねるなかで、高師泰は日根野ひねの村に本拠をもつ日根野盛治に槌丸城の警固を命じている(同日付「高師泰下知状」日根文書)翌年正月五日、河内国四条縄手合戦で南朝軍を破り正行を敗死させた高師泰は大和に攻撃を開始したが、その正月九日、日根野時盛に重ねて槌丸城の警固を命じている(同日付「高師泰下知状」同文書)。文和二年(一三五三)足利方が観応の擾乱のあと、まだ体勢の建直しができないでいた時、南朝軍は楠木正儀のもと摂河泉地方における勢力を回復して攻勢に転じ、槌丸城も南朝方の手に落ちた(「園太暦」文和二年五月二一日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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