朝日日本歴史人物事典 「土屋邦敬」の解説
土屋邦敬
生年:天保2.3.11(1831.4.23)
幕末明治期の農事改良家,文人。明治初年の地方行政の推進者。通称兵十郎,有隣・双山・苔石と号した。美濃国武儀郡上有知村の惣年寄土屋家に生まれる。道路や用水路,橋梁の開設や架設,耕地整理などを行い,農産物の増産に努めた。慶応2(1866)年には尾張藩士三浦千春と宮崎安貞の『農業全書』を出版した。また学校をおこし,明治6(1873)年には県より郡中惣代に任じられるなど,維新期の新政策の地域での推進者として活躍した。書画をよくし,同郷の画家村瀬秋水や長崎の画僧日高鉄翁などと交わる。特に蘭が得意で,鉄翁と並び称された。<参考文献>『岐阜県郷土偉人伝』
(松田之利)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報