土気宿(読み)とけしゆく

日本歴史地名大系 「土気宿」の解説

土気宿
とけしゆく

[現在地名]緑区土気町

土気往還の継場で伝馬役を勤めるとともに、九十九里浜などから商荷物の輸送が多く、それをめぐる争いが繰返された。ほぼ南北の道とそれより東西に分岐する道沿いに家並が連なり、北筋に北宿きたじゆく・中宿・つじ、西筋に新宿にいじゆくなどの字があった。ほか仲町なかまち馬場ばばうまやなどの地名が残る。宿の成立、継立の始期は未詳であるが、享保期(一七一六―三六)に助郷組織が改定整備され、文政一二年(一八二九)当時は定助郷一四村(吹野家文書)。助郷高は高割とし、定助郷村は負担の一方で九十九里浜方村々の荷主相対物資野田のだ村まで付通す権利があった。しかし土気がこの荷を差止めるなどしたため論争が絶えなかった。

享保三年本納ほんのう道について商売米と小浜こばま矢指戸やさしど両浦(現大原町)からの肴荷は野田のだ村までの付通しであるのに本納村(現茂原市)の米が土気町で差止められたとして野田村が出訴。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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