圧縮機の分類(読み)あっしゅくきのぶんるい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「圧縮機の分類」の意味・わかりやすい解説

圧縮機の分類
あっしゅくきのぶんるい

圧縮機/分類

 型 式/回転型・軸流式
 細分類/軸流型

 型 式/回転型・遠心式
 細分類/多翼型、ラジアル型、ターボ型
 〔概要〕翼車の回転力によって気体圧力と速度エネルギーを与え高圧を得る。気体の運動方向が軸方向(翼面に垂直)のものを軸流式、半径方向(翼面に平行)のものを遠心式といい、後者は翼形状により細分類されている。ラジアル型は翼とケーシングとの接触はなく高速運転が可能である。比較的小形となり、1台の内部で多段階的に圧縮ができる。ターボ型は、電動機のほか、蒸気またはガスタービンと直結して運転される。


 型 式/容積型・回転式
 細分類/ルーツ型、可動翼型、振り子型、ねじ型
 〔概要〕圧縮機の回転でローターとケーシングとの間で形成される空間容積が、吸込み側から吐出し側へ連続的に縮小することによって気体を圧縮する。ローターが1対でまゆ型断面(三頭のものもある)をもつものをルーツ型、螺旋翼をもつものをねじ型という。円筒型ケーシングの中で偏心して回転する半径方向に可能な翼(ふつうの多翼)、または円筒形ローターをもつものが可動翼型および振り子型である。ローター相互およびケーシングとの接触があり潤滑を要するため、回転型ほど高速運転はできないが、往復式より小形で大容量の処理ができる。


 型 式/容積型・往復式
 細分類/縦型、横型
 〔概要〕圧縮機の歴史的、代表的型式である。シリンダー中を往復運動するピストンで、圧縮室の容積を変えることによって気体を圧縮する。ピストンの片側で圧縮する単動式と、両側で行う複動式があり、また圧縮段数によって、一段式と多段式に分けられる。多段の場合は各段圧縮筒の配置にくふうがなされ、力のバランスなどが改善される。縦型は横型に比べて据付け面積が小さい利点がある。ピストン行程を短くするかわりに径を大きくし、高速運転する方向に進んでいる。

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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