…日本における男子の被り物の一種で,早く奈良時代から着用され,江戸時代に至った。天武天皇のとき漆紗冠(しつしやかん)と圭冠(けいかん)の2種ができたが,この圭冠が後世の烏帽子の祖であると古くからいわれている。中国でも4世紀ころから絹紗(けんしや)を用いてつくった紗帽(さぼう)があり,上下一般に用いられてきたが,こうした慣習が日本に流入したものと考えられる。…
…これらの冠は大会,饗客(きようきやく),斎時などに用い,別に黒の絹でつくられた鐙冠(つぼこうぶり)という,当時の壺状鐙の形をなしたものがあった。その後,冠の裂地には二,三の変改があったが,天武天皇のときに新たに漆紗冠(しつしやかん)と圭冠(けいかん)とが制定され,前者は唐制にのっとったもので,冠の前後に四つの纓(えい)がついており,前纓は平時は上にあげて髻の前で結び,後纓は垂らすか,あるいは髻の上を結んだひもにはさんだ。これが後世の冠の祖となったもので,当時の形態を知るものに法隆寺伝来聖徳太子の像がある。…
※「圭冠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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