地下核実験(読み)チカカクジッケン

デジタル大辞泉 「地下核実験」の意味・読み・例文・類語

ちか‐かくじっけん【地下核実験】

地下で行う核実験。地中深く穴を掘り、その中で核弾頭爆発させて性能を確かめるもの。
[補説]1963年のPTBT(部分的核実験禁止条約調印により、大気圏内・宇宙空間・水中での核実験が禁止されたが、地下空間は対象外となった。このため核開発の抑止力が弱いとして、国連総会は1996年、すべての核実験を禁止するCTBT(包括的核実験禁止条約)を採択したが、一部の国の署名拒否などにより発効には至っていない。なお、米ソ間で調印されたTTBT(地下核実験制限条約)では、150キロトンの爆発を超える地下核実験を禁止している。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地下核実験」の意味・わかりやすい解説

地下核実験
ちかかくじっけん
underground nuclear detonation

原子爆弾水素爆弾などの核爆弾を地下で爆発させ,その性能などを調べる実験。地下実験を除く大気圏内,宇宙空間,水中での核爆発実験を禁止する部分的核兵器実験禁止条約の発効 (1963.10.10.) 以後は,加盟国は他に比べて放射性降下物による汚染の少ない地下爆発だけに実験をかぎるようになった。さらにすべての核実験を禁止する包括的核実験禁止条約 CTBTが 1996年9月に国連総会で採択されたが,アメリカはそれを批准せず地下核実験に代わる未臨界実験を実施し続けている。

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世界大百科事典(旧版)内の地下核実験の言及

【核実験】より

…1954年10月,インドのネルー首相が国連政治委員会で核実験休止協定を呼びかけて以来,この問題は国連の中でも重要な問題として検討されるようになった。 63年8月,米・英・ソ3国は〈部分的核実験停止条約〉(略称PTBT)に調印し,大気圏内,宇宙空間,水中での核実験は禁止されたが,地下核実験は抜け道として残され,その後は核実験の大部分は地下爆発で行われてきた。部分的核実験停止条約は,大気圏内の放射能を減らすことには役立ったが,核兵器の開発にも,また核実験の回数や威力に対しても,制限効果はまったくなかった。…

※「地下核実験」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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