地覆(読み)ジフク

デジタル大辞泉 「地覆」の意味・読み・例文・類語

じ‐ふく〔ヂ‐〕【地覆/地×輻/地伏】

《「じぶく」とも》

㋐門・建物などの最下部に、地面に接して取り付ける横木。また、家の入り口敷居
㋑橋の高欄のいちばん下に取りつける横材。
建物の土台
土地の質。地質土質
人のもともとの性質能力素質
「子の五人十人は―さへよければ年々にも出来ること」〈浄・冷泉節〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「地覆」の意味・読み・例文・類語

じ‐ふくヂ‥【地覆・地幅】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じぶく」とも )
  2. 建築物の最下部に取りつける横木。また、家、門などの入り口のしきい。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  3. 建物の土台。
    1. [初出の実例]「五体を塔とするほとに坐具は塔のぢぶく也、地ぶくが堅なうては五分法身をは生すまいと云義也」(出典:六物図抄(1508))
  4. 土地の質。土質。
    1. [初出の実例]「地子年貢は地ふく地性の上中下によれり」(出典:多胡辰敬家訓(1544頃))
  5. 人の生まれつきの体質や能力。素地。
    1. [初出の実例]「地ふくよく年より十もかほ若し」(出典:雑俳・替狂言(1702))

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世界大百科事典(旧版)内の地覆の言及

【高欄】より

…古語では〈おばしま〉。下から地覆(じふく),平桁(ひらげた),架木(ほこぎ)の横材が斗束(ますづか)に支えられ,斗束の間に平桁を支える栭束(たたらづか)がある。隅や端の納まりによって,親柱をたて上に擬宝珠(ぎぼし)をおく〈擬宝珠高欄〉,親柱を使わず架木先端を長く,平桁と地覆先端をわずかに出す〈組高欄〉,架木先端をそらせる〈刎(はね)高欄〉などがある。…

【礎石】より

…飛鳥時代の塔心礎は一般的に地下式になっていることも知られている。礎石の形式はさまざまで,自然石を用いたもの,上面を平坦に加工したもの,円形の柱座をつくったもの,方形の柱座をつくったもの,柱座の中心に突起を設けて柱の横ずれを防ぐようにしたもの,地覆(じふく)(柱と柱をつなぐ横材)座を設けたものなどがある。礎石の中心に円形突起をつくり出すのは7世紀後半以降であることが知られている。…

※「地覆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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