朝日日本歴史人物事典 「坂三郎」の解説
坂三郎
生年:弘化1.12.2(1845.1.9)
明治期の茶業指導者。駿河国(静岡県)沼津町に生まれ,同町の茶商坂家に入る。文久1(1861)年以降,養家の営む茶園の経営に当たり,山城,近江の茶師を招いて宇治茶の製法の普及に努めた。明治9(1876)年,江原素六らと共に叢流社(のち積信社)を設立,静岡茶の米国への直輸出に努めた。16年同社を解散して全国製茶先進会審査掛となり,翌17年静岡県茶業取締所集会員として横浜に出張,19年茶業組合中央本部の横浜製茶検査所長,さらに静岡県茶業組合連合会議所・茶業組合中央会議所議員などを歴任,茶業の改良に尽力した。沼津町会議員,静岡県会議員も務めた。<参考文献>山田万作編『岳陽名士伝』,静岡県茶業組合連合会議所編『静岡県茶業史』
(若林淳之)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報