改訂新版 世界大百科事典 「埋没土」の意味・わかりやすい解説
埋没土 (まいぼつど)
buried soil
火山灰,レス,飛砂,はんらん土砂,山崩れ・地すべり堆積物,斜面堆積物,氷河堆積物,泥流,溶岩流などの新しい堆積物によっておおわれている土壌。これらの被覆層の堆積が,急激に行われた場合には埋没土の上限が明りょうで,土壌断面が完全に保存されている場合が多いが,徐々に堆積した場合は土壌断面の一部が浸食によって失われ,上限が不明りょうな場合が多い。埋没土はその上下の部分に比べて有機物含量,粘土含量,植物ケイ酸体などが多いことを目安にして確認することができる。埋没土中の土壌有機物の14C年代測定や被覆層と母材の年代により,その生成時代の上限と下限が推定される。埋没土は必ずしも地質時代に生成した埋没古土壌とは限らないが,過去の地表状態を反映しているので,その土壌型を決定することにより,過去の環境を復元するために利用されている。
→古土壌
執筆者:永塚 鎮男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報