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古土壌 こどじょうpaleosoil

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

古土壌
こどじょう
paleosoil

地質時代に生成された土壌で,現在の土壌生成環境とは違う環境のもとで生成された土壌。古土壌には,生物の化石のように地層中に保残されている化石土壌地表に露出しているが生成時の特徴をもっているレリック土壌,あるいは気候,植生変化など異なった自然環境の影響を同一土壌内に重複して受けている多元土壌がある。日本全域の台地,丘陵地に断片的な分布を示す赤色土が,リス=ウルム間氷期に生成されたものと推定されたことにより,台地の形成時が判明できたように,古土壌は陸成層の層位学的鍵層として地形対比に有効である。また土壌型を固定することにより,過去の自然環境が復元できる。

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百科事典マイペディアの解説

古土壌【こどじょう】

地質時代にできた土壌。地表に露出しながら現在の自然環境とは異なった条件下にできた特徴を残すレリック土壌,生物の化石のように地層中に保存された化石土壌,異なった自然環境の影響を重複して受けた多元土壌などがある。
→関連項目赤色土テラ・ロッサ埋没土

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岩石学辞典の解説

古土壌

現在の地表にある土壌であるが,今ではもはや得られない条件で形成されたもの.これらは一般に不活性で,石英カオリン酸化鉄などからなっていて,現在の条件では風化作用に耐えるため,簡単に他の型の土壌に変わることはない[Ollier : 1959].

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世界大百科事典 第2版の解説

こどじょう【古土壌 paleosol】

完新世(約1万年前から現在まで)より古い地質時代に生成され,現在の環境の影響をまったく受けていないか,あるいは過去の環境によって生じた特性が変化を受けつつある土壌。これに対して完新世の自然環境下で生成している土壌を現世土壌という。第三紀より古い地質時代に生成した土壌はほとんど浸食によって失われてしまっているので,実際の古土壌は第三紀から第四紀更新世にわたるいずれかの時代に生成したものが多い。地表下に埋没している場合と地表に露出している場合とがあり,その出現様式によってつぎのように区別される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

古土壌
こどじょう

地質学的にみて古い時代に生成された土壌。現在の地表には、現在の気候、植生、地形などの環境のもとに生成されつつある土壌がある。しかし地下に過去の地表面が埋没しているところがあれば、その埋没地表には過去の環境下で生成した土壌が認められるはずである。ここで現在あるいは過去といっているのは、地質学的時間のことである。過去の環境が現在と同じであれば、過去の土壌は単なる埋没土とみなされるが、新生代第四紀中~末期にかけての気候変化に対応して、現在の気候と違う環境で生成したと考えられる種々の土壌が発見されており、それらを現成土壌に対して古土壌paleosolとよぶことになった。かつて化石土fossil soilと称したものと同じである。古土壌としてもっとも重要視されるのは温帯地方に残存する赤黄色土(せきおうしょくど)である。日本では下末吉(しもすえよし)面(第四紀末の最後の間氷期に形成され現在台地をなす地形面)に、間氷期中ごろから最終氷期の直前までの温暖期に生成した赤黄色土(その風化殻すなわち土壌断面の上部を侵食された残骸(ざんがい)をも含めて)がそれで、現在の段丘面に残る古土壌としてとくに東海、北陸以西の同位面、およびそれより古期の丘陵面にも確認される。それらの多くは現地表に褐色または黄褐色の表土が薄く覆い、古土壌自体は埋没した形になっている。一方、氷期の寒冷気候下に生じたはずの古土壌は、ほとんど発見された例がない。古土壌の研究は、土壌生成の変遷を通じて、地質時代の過去における土地の諸環境を推論することに意義がある。[浅海重夫・渡邊眞紀子]

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