飛砂(読み)ひさ(その他表記)wind-blown sand

精選版 日本国語大辞典 「飛砂」の意味・読み・例文・類語

ひ‐さ【飛砂】

  1. 〘 名詞 〙 海岸で舞い上がる砂。
    1. [初出の実例]「海岸線の駅はすくなし我が汽車は飛砂防止林に沿ひて駛れり」(出典:鷲(1940)〈川田順〉酒田秋田間)

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最新 地学事典 「飛砂」の解説

ひさ
飛砂

sand drifting

砂粒が風に吹き飛ばされ移動すること。多くは固定していた砂丘が再び活動する場合で,砂丘の再活動と呼ばれる。現在乾燥地となっている地域の多くは最終氷期のころ,現在よりも乾燥していて砂丘が形成され,現在は植生に覆われ固定砂丘となっている。固定砂丘地域で燃料採取や開墾などを目的として樹木伐採が行われると,砂層の地表面は乾燥する。同時に風が地表を直接吹くことになり,砂粒が風によって吹き飛ばされ砂丘の再活動が始まる。耕作を頻繁に行うと土壌構造を壊したり地表の乾燥化を招く。穀物の収穫後の火入れなども地表の被覆度を低める。家畜による食禍,農耕機械や家畜の通り道も植生の生育妨げ,飛砂を発生させる。再活動砂丘の風上側では侵食(風食)が起こり,風下側では運ばれてきた砂が堆積し,広大な土地を荒廃させる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「飛砂」の意味・わかりやすい解説

飛砂
ひさ
wind-blown sand

海浜の砂は風によって内陸側または汀線(ていせん)沿いに動き、砂丘を形成したり、河口閉塞(へいそく)あるいは港湾水路埋没をおこすことがある。このように風によって移動する砂およびその現象をさして飛砂とよんでいる。砂は風速がある値以上になると動き、粒径とも関係するが、0.3ミリメートル前後では地上1メートルの風速が5~6メートル/秒で移動を始める。高さ方向の飛砂量の分布は砂面上の近傍に集中し、30センチメートルの高さになると、非常に少なくなる。

[堀口孝男]

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世界大百科事典(旧版)内の飛砂の言及

【海岸浸食】より

…海浜を構成している砂や礫などの底質は,波や沿岸の流れの作用によってたえず移動している。この波や流れによる海浜の砂礫の輸送現象が漂砂である(飛砂,つまり風による海浜砂の輸送をも漂砂に含めることがある)。漂砂は外浜(そとはま)から前浜(まえはま)にかけて特に著しく,海浜地形や海岸汀線の変化をもたらす。…

【砂丘】より

…この土壌層からは多くの縄文~弥生土器片など文化遺物が見いだされ,人間活動の舞台になっていたことがうかがえる。
[飛砂の制御と砂丘地の利用]
 海岸砂丘は海の浸食から平野を守る天然の堤防である。植物の被覆は砂の移動をおさえ,砂丘地を安定させる。…

※「飛砂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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