20世紀日本人名事典 「堀 辰雄」の解説
堀 辰雄
ホリ タツオ
昭和期の小説家
- 生年
- 明治37(1904)年12月28日
- 没年
- 昭和28(1953)年5月28日
- 出生地
- 東京市麴町区平河町(現・東京都千代田区)
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学国文科〔昭和4年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 中央公論社文芸賞(第1回)〔昭和17年〕「菜穂子」
- 経歴
- 一高時代、芥川龍之介、室生犀星に師事する機会を得る。東京帝大在学中の大正15年、中野重治らと「驢馬」を創刊。コクトー、アポリネール、ランボーらの翻訳を旺盛に発表。昭和2年「ルウベンスの偽画」を発表。4年「コクトオ抄」を刊行し、「文学」同人となる。5年第一短編集「不器用な天使」を刊行したが、その後大喀血をし、死までの長い療養生活に入る。8年「四季」を創刊。プルーストやリルケの影響を受けると共に、王朝文学への深い関心をしめし、抒情的な作風を作りあげた。他の代表作に小説「聖家族」「恢復期」「燃ゆる頰」「美しい村」「風立ちぬ」「かげろふの日記」「菜穂子」、エッセイ「大和路・信濃路」などがあり、「堀辰雄全集」(全8巻・別2巻 筑摩書房)などが刊行されている。また、詩作は多くないが、立原道造、津村信夫など後のマチネ・ポエティクの詩人たちに影響を与えた。「堀辰雄詩集」がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報