朝日日本歴史人物事典 「堀川乗経」の解説
堀川乗経
生年:文政7(1824)
江戸後期・明治時代の僧。陸奥国下北郡川内村(青森県)願乗寺に生まれる。天保12(1841)年,西本願寺の布教が禁止されていた蝦夷地(北海道)に渡り,実情を調査。安政4(1857)年,江戸幕府の許可を得て北海道への布教伝道に乗り出し,箱館(函館),小樽,札幌,江差に寺院を建立,西本願寺別院の基礎を築き,北海道布教の先駆となる。同6年,箱館を流れる亀田川の付け替え工事に着手,給水,船運,商業繁栄の便を図る。この功により幕府より受けた土地に救貧院を創設,傷病兵や困窮民を収容。明治10(1877)年に函館別院の初代輪番に就任する。<参考文献>常光浩然『明治の仏教者』
(岡村喜史)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報