堅田遺跡(読み)かただいせき

日本歴史地名大系 「堅田遺跡」の解説

堅田遺跡
かただいせき

[現在地名]御坊市湯川町財部

だか川北岸に形成された標高二メートルの微高地上に立地し、弥生時代前期の環濠集落と奈良時代の日高郡衙の施設が発見されている。現在、遺跡の周囲は県下第二の沖積平野が広がるが、河口に延びる砂洲の背後にあたっており、西に位置する田井たい集落に関連して、薗宝そのたから郷の四至を記す建歴二年(一二一二)二月日の後鳥羽院庁下文(熊野速玉大社古文書古記録)に「西限田井船津出井」とみえ、遺跡が営まれた当時は南に入江が入込み、良好な泊場が広がっていたと考えられる。

環濠集落は平成一一年(一九九九)に大規模な調査が行われ、大きさは環濠を含め東西約一二〇メートル、南北約一五〇メートル、平面プランは楕円形をなすことが判明した。検出された遺構には、韓国が源流とされる松菊里型住居四棟を含め、竪穴住居跡一九棟・平地式住居跡六棟・掘立柱建物三棟、銅を溶かした溶炉遺構一基、大・小の土坑、柱穴がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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