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環濠集落 かんごうしゅうらく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

環濠集落
かんごうしゅうらく

円形または方形に堀をめぐらした集落考古学では古代における集落形態の一つとして研究される。環濠の機能としては,集落の範囲の設定,排水,敵への防御など諸説があるが,まだ明確ではない。いずれにせよ,環集落は血縁的共同集団の居住地であろう。福岡市博多区の比恵遺跡 (弥生時代) はその代表例で,1辺 30~33m,幅および深さ1~2.5mの方形の溝に囲まれ,その内側に竪穴,井戸などが,外側に甕棺墓がある。近年,九州,近畿を中心に発見例がふえ,また韓国南部にも同様のものが認められる。

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知恵蔵の解説

環濠集落

中国・内モンゴル自治区で近年、発見された興隆窪(こうりゅうわ)遺跡は7000〜8000年前の最古級の環濠集落遺跡。直径170m、環濠の幅と深さは1〜2m。内部に大型建物を中心とする住居跡群があり、最古級の玉器も見つかった。濠は家畜の逃亡防止用という。6000〜7000年前には陝西省・半坡(はんぱ)遺跡の大型環濠集落などに発展する。日本列島の環濠集落との関係が注目される。一方、韓国南部の慶尚南道・蔚山(ウルサン)・検丹里(コムダンニ)でも1990年に約2300年前の環濠集落遺跡が見つかった。溝は後にかなり削られたらしく、現存幅50cm〜1m、深さも入り口で1.1mだが、延長300mにわたって巡っていた。内部には約100棟の住居跡があった。日本ではすでに、吉野ケ里遺跡など400以上の環濠集落遺跡が分かっている。これらが、どう関連するのか研究成果が注目される。

(天野幸弘 朝日新聞記者 / 今井邦彦 朝日新聞記者 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

かんごう‐しゅうらく〔クワンガウシフラク〕【環×濠集落】

外敵の侵入を防ぐために周りを柵で囲み、を巡らせた集落のこと。弥生時代の代表的な集落の形態とされ、吉野ヶ里遺跡もその一つ。

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百科事典マイペディアの解説

環濠集落【かんごうしゅうらく】

周囲に濠をめぐらせ防御施設とする,弥生時代の代表的な集落。九州〜北陸・関東まで広く分布する。濠を掘削したときの土を濠の外側に盛り上げて土塁とし,朝日遺跡のように濠のなかに逆茂木(さかもぎ)を立てた例もある。
→関連項目唐古遺跡吉野ヶ里遺跡

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世界大百科事典 第2版の解説

かんごうしゅうらく【環濠集落】

平面形態上,周濠を有する集落。環濠と土塁を有する集落には,豪族屋敷村,寺内町,市場町および城下町などがあるが,農村がもっとも多い。環濠集落は日本だけでなく,ヨーロッパの都市や城館を囲濠した屋敷などにもみられる。例えば,古代都市のバビロンも環濠形態をもち,北イタリアのポー川流域のテラマーレは鉄器時代の環濠集落である。環濠集落の起源については古代の条里的集落に求めるよりも中世末の惣観念の確立と環濠の成立とを結びつけて考える説に注目したい。

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大辞林 第三版の解説

かんごうしゅうらく【環濠集落】

周囲に濠ほりをめぐらした集落。排水、防衛、集落の限界の機能をもつとみられる。弥生時代の遺跡もある。環溝集落。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

環濠集落
かんごうしゅうらく

近畿地方、とくに奈良盆地を中心にみられる特殊な集落形態で、幅4~5メートルの濠(ほり)(堀)を人為的に掘り巡らした集落。城壁と外堀を巡らした一般の城砦(じょうさい)都市をさすのではない。その起源は明らかでないが、中世の社会不安の時代に、村落民が自衛のために堀を掘って村落を防御した名残(なごり)とされている。しかし、奈良盆地の村落の環濠は、条里の溝渠(こうきょ)に基づいて、それを中世に拡大したものもあるとすれば、古代にまで起源をさかのぼることも考えられる。また、奈良盆地は夏には降雨が比較的少なく、水不足が生じやすかったので、環濠に灌漑(かんがい)水を蓄えて利用したことも、奈良盆地に環濠集落が残存した一因ともいえる。[織田武雄]

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世界大百科事典内の環濠集落の言及

【弥生文化】より


[弥生時代のムラ]
 弥生時代の大規模な集落は,100~200m×70~100mていどの規模が普通で,特例としては400m×300m(大阪府池上遺跡)のものもある。ムラの周囲には濠をめぐらしており,環濠集落の名にふさわしい。濠を二重にめぐらすものもあるが,一重の場合濠の内側ではなく外側に土塁,すなわち土を盛り上げた垣をめぐらしている。…

【吉野ヶ里遺跡】より

…弥生時代の大規模な環濠集落跡。佐賀県神埼郡神埼町・三田川町・東脊振(ひがしせふり)村にまたがる。…

※「環濠集落」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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