堆錦(読み)ツイキン

デジタル大辞泉の解説

つい‐きん【堆錦】

琉球(沖縄)漆器特有の技法。漆と各種の顔料を練り合わせ、これを押し広げて型にはめるか、または切り取って文様を作り、漆器の表面にはりつけるもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

ついきん【堆錦】

沖縄漆器の加飾法の一つ。一般には1715年(尚敬王3)に房弘徳(比嘉乗昌)が創始したとされるが,明代の《髹飾録(きゆうしよくろく)》(16世紀)に,このころ流行した堆綵(ついさい)(下地を盛り上げ,上に色漆を塗ったもの)に似た技法として〈堆錦〉をあげており,これは前後の状況から沖縄のものにまちがいないといわれる。技法は,充分焼いたくろめ漆に顔料を多量に入れ,金槌でたたいて各色の堆錦餅をつくり,さらにローラーにかけ薄板にのばす。

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大辞林 第三版の解説

ついきん【堆錦】

琉球漆器の技法の一。純粋の漆に多量の顔料を混入しよく練り、薄く伸ばしたものを文様に切り、下地塗りをした器の表面に貼りつけたもの。

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精選版 日本国語大辞典の解説

つい‐きん【堆錦】

〘名〙 漆芸の技法の一種。各色の彩漆の塊を作り、これをローラーで薄く延ばし、刀や型で文様に切り、漆器の面に貼りつけたもの。首里の房弘徳(比嘉乗昌)によって創始されたといわれ、沖縄特有の装飾法として盛んである。

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世界大百科事典内の堆錦の言及

【沖縄[県]】より

…漆芸の技法はおもに日本から学び,ろくろの技術も1629年(寛永6)に日本の漆工が沖縄に漂着し,那覇の若狭町で塗物と一緒に伝えたという。その後王府は漆工芸に最も力を注ぎ,中国の技法も取り入れて,沖縄の夜光貝を使用して作った螺鈿(らでん)(青貝摺)や中国の堆朱(ついしゆ)の技法を応用した琉球漆器独特の堆錦(ついきん)が生み出された。また明治以降は木地に特産のデイゴが用いられ,木肌の粗いデイゴへの下地塗りにキリ油や泥岩に豚血(とんけつ)を混ぜる豚血下地が行われ,廉価で堅牢なため今日も伝承されている。…

※「堆錦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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