塩化ベンザルコニウム(読み)えんかべんざるこにうむ(英語表記)benzalkonium chloride

日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩化ベンザルコニウム」の意味・わかりやすい解説

塩化ベンザルコニウム
えんかべんざるこにうむ
benzalkonium chloride

皮膚殺菌消毒剤。逆性せっけん(陽性せっけん)ともいわれる第4級アンモニウム系殺菌消毒剤の一つで、タンパク凝固作用と界面活性作用によって消毒効果を現す。普通のせっけんが陰イオンによるのに対し、これは陽イオンに起因するもので、10%液として市販され、無色ないし淡黄色澄明な液で、わずかに特異臭があり、振ると泡だつ。通常、水で希釈して用いる。手指の消毒には0.05~0.1%、手術部位の消毒には0.1%、粘膜には0.01~0.05%、腟(ちつ)、膀胱(ぼうこう)、尿道の消毒には0.005%、創口の消毒や皮膚疾患には0.01%液を塗布する。器具器械類の消毒にも使われるが、せっけん、血液、膿(うみ)など有機物(陰性荷電物)の存在で殺菌力が低下、または不活化する。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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