朝日日本歴史人物事典 「塩焼王」の解説
塩焼王
生年:生年不詳
奈良時代の王族。新田部王の子,道祖王の兄。氷上志計志麻呂,同川継の父。妻は聖武天皇の娘不破内親王。天平14(742)年10月,中務卿のとき女孺4人と共に平城の獄に下り,伊豆国三嶋に同17年4月まで流される。天平宝字1(757)年3月皇太子道祖王が廃されると,右大臣藤原豊成らが塩焼王を推すが,聖武上皇がその無礼を責めたとの理由で退けられ,大炊王が皇太子になった。同年7月橘奈良麻呂の乱に関与したが罪を許され,その後,氷上真人の氏姓を賜る。2年8月,従三位。6年,参議を経て中納言となる。たびたび政治的事件を起こし,藤原仲麻呂の乱(764)時には,仲麻呂に擁立され今帝と称したため斬られた。
(館野和己)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報