改訂新版 世界大百科事典 「増富」の意味・わかりやすい解説
増富[温泉] (ますとみ)
山梨県北杜市の旧須玉町,金峰山山麓にある温泉。放射能泉,27℃。塩川の支流本谷川峡谷の北岸に位置し,源泉は十数ヵ所におよぶ。戦国時代,武田信玄が金山採掘の際にこの温泉を発見し,病人の湯治に利用したといわれ,信玄の隠し湯の一つに数えられている。1887年ころから金泉湯とよばれ,大正初期に世界一のラジウム含有量(1万2800マッヘ/l)を有することがわかり,ラジウム鉱泉として有名になった。秩父多摩国立公園の西の入口として,金峰山,瑞牆(みずがき)山,金山平などの登山やハイキングが楽しめる。ヤマメ,イワナの釣場や山菜採り,キノコ狩りの適地がある。JR中央本線韮崎駅からバスの便があり,中央自動車道須玉インターチェンジからも近い。
執筆者:横田 忠夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報