(読み)コン

精選版 日本国語大辞典 「墾」の意味・読み・例文・類語

はり【墾】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「はる(墾)」の連用形名詞化 )
  2. 開墾すること。「にいばり」「はりみち」など、他の語と複合して用いられ、現在でも、「春」「張」などの字を当てて、地名となっている所が多い。
  3. 徳島県などで開墾地をいう。山梨県でも畠の数を一はり、二はりと数える。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「墾」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

[字音] コン
[字訓] たがやす・ひらく

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(こん)。の正字はは〔説文〕九下に「豕(し)の齧(か)むなり」、〔玉〕に「豕、地を齧むなり」とあり、猪がその作物を掘りかえすことをいう。そのような状態に土を反転することを墾という。〔説文新附〕十三下に墾を収め、「すなり」とし、〔広雅、釈地〕にも同訓がみえる。

[訓義]
1. たがやす、田の土をかえす。
2. 田畑をひらく、開墾する。
3. 十分に手入れをする、おさめる、ならす。
4. やぶる、いためる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕墾 古奈田(こなた) 〔立〕墾 カヘス・タカヘル・ヲサム・ハレリ・アル・オコス・ハル・ハルカニ 〔字鏡集〕墾 オホフ・カマフ・カヘル・ヒタタク・オサム・ハリヒラク・オコス・カヘス・ホル

[声系]
墾・懇はともに〔説文新附〕に収め、)声に従う。の声義を承ける字である。

[語系]
墾・懇khnは同声。艱ken、饉ginとも声義の関係があるかもしれない。

[熟語]
墾化墾芸墾荒墾耕墾鑿・墾種墾除墾壌・墾殖墾植墾耨墾草墾田墾発墾辟墾闢墾民
[下接語]
開墾・耕墾墾・新墾・償墾・備墾・闢墾・翻墾

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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