声帯麻痺(読み)せいたいまひ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「声帯麻痺」の意味・わかりやすい解説

声帯麻痺
せいたいまひ

両側の声帯は呼吸や発声の際に左右に動き、声門(声帯の間にある間隙(かんげき))が開いたり閉じたりするが、このような声帯の運動ができなくなった状態を声帯麻痺という。この運動は、喉頭(こうとう)の内部にある筋肉の作用によるもので、その筋肉を支配するのは大部分が下喉頭神経(反回神経)で、一部は上喉頭神経である。これらの神経が麻痺すれば声帯麻痺になるのは当然であるが、一般に声帯麻痺といった場合は、かならずしもこのような神経の麻痺によるものだけでなく、たとえば筋肉の障害によるものなども含み、広義に声帯の運動障害をさすこともある。声帯を開く運動が障害されると、呼吸に支障をきたす。その典型的なものは、両側の後筋(後輪状披裂筋)が運動できなくなると窒息する。声帯を閉じる運動が障害されると、声門に間隙ができて声がかれる。なお、神経の障害で声帯麻痺をおこすもっとも多いものは、反回神経麻痺である。

[河村正三]

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