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喉頭 こうとうlarynx

翻訳|larynx

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

喉頭
こうとう
larynx

気管の上部に位置し,上端は食道の上部とつながる下咽頭に開く管状の器官。気道の最上部を形成し,空気の通路の始りの部分。発声に関与し,また,食物などが気管に入るのを防ぐ役割もする。甲状軟骨輪状軟骨喉頭蓋軟骨,各1対の披裂軟骨小角軟骨,楔状軟骨の計9つの軟骨から成り,それぞれ靭帯によって連結されて,内部は粘膜におおわれている。軟骨のうち甲状軟骨は,特に成人男子では前方に突出して見えるので,この部は「アダムのリンゴ」とか「のどぼとけ」とか呼ばれている。筋肉は外喉頭筋群と内喉頭筋群があり,前者は喉頭の支持,発声や嚥下時の喉頭の挙上などを行い,後者は,呼吸および発声に際して声門の開閉や声帯の緊張を調節する。主として反回神経に支配されている。男性に比べて女性の喉頭は小さく,声帯も短く,高音が出やすいようになっている。

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百科事典マイペディアの解説

喉頭【こうとう】

脊椎動物の気道の一部で,咽頭(いんとう)に続き下は気管に連なる部分。その壁は関節でつながった軟骨とこれに付く筋肉から作られ,内面は繊毛上皮をもつ粘膜でおおわれる。
→関連項目咽喉言語療法甲状軟骨声変り呼吸器官

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栄養・生化学辞典の解説

喉頭

 のどのこと.

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世界大百科事典 第2版の解説

こうとう【喉頭 larynx】

空気呼吸をする脊椎動物の気道の関門として,頭方は咽頭,尾方では気管につながり,大きくてがんじょうな構造をしている。これは気管のすぐ背側の食道を通る飲食物の気管内への誤嚥(ごえん)を防ぐ気道防御装置の機能をもつ。この原型は肺魚にもみられるが,系統進化とともに複雑な構造となる。両生類の喉頭軟骨の基本は1対の側軟骨であるが,一部の両生類では側軟骨が分化した披裂軟骨と輪状軟骨をもつ。爬虫類や鳥類でもほぼ同じ構造であるが,ワニ類では甲状軟骨をももつ。

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大辞林 第三版の解説

こうとう【喉頭】

咽頭と気管の間の部分。甲状軟骨・喉頭蓋軟骨をはじめとする六個の軟骨で囲まれている気道の一部をなし、中央部に声帯を有する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

喉頭
こうとう

呼吸器官の気道となると同時に発声器官としての役割をもつ重要な器官。部位は前頸部(ぜんけいぶ)の正中線で舌骨の下部から始まり、第4~第6頸椎(けいつい)の高さにわたっている、長さ約5センチメートルの管状構造の器官である。管壁は6種類の喉頭軟骨(1個の甲状軟骨、輪状軟骨、喉蓋(こうがい)軟骨と、1対の披裂(ひれつ)軟骨、小角軟骨、楔状(けつじょう)軟骨)と、これらを結合する靭帯(じんたい)や喉頭筋が付着して構成され、喉頭内部には喉頭腔(くう)が存在する。この内壁は粘膜で覆われている。喉頭腔の上方は喉頭口で始まり、下方は輪状軟骨を境にして気管へと続いている。喉頭口には前壁からさじのような形をした喉頭蓋(会厭(ええん))が後方に突出して喉頭口の蓋(ふた)となっている。喉頭軟骨のうちでは甲状軟骨が最大で、喉頭の前壁と側壁の大部分を構成している。甲状軟骨は左右に広がる2枚の板(左板と右板)が壁をつくり、両板は正中線で鋭角的に結合し、この結合部は喉頭隆起(アダムのリンゴ)となり、皮下で隆起している。とくに上端部の突出が著しく、また思春期には男性で著明となる。喉頭隆起の上端縁には深い切れ込みがあり、皮下に触れることができる。甲状軟骨の学名はthyreosといい、盾の意であるが、これは古代のギリシア兵士が持った長方形の盾の上端中央に前方をのぞける切れ込みがあったことに由来する。甲状軟骨の下方には輪状軟骨があり、これも皮下に触れる。輪状軟骨は気管の上端にあたる。
 喉頭腔内面の両外側壁にはほぼ中央の高さで前後に走る上・下のヒダ(襞)があり、喉頭腔を上・下の2部分に区分している。下方のヒダを声帯ヒダ(声帯)とよび、相対する声帯ヒダの間に声門裂ができる。声帯ヒダの長さは日本人の場合、男2センチメートル、女1.5センチメートルが平均とされる。声門裂は喉頭腔ではもっとも狭い部分で、声帯ヒダと声門裂によって声門が形成される。喉頭筋の働きによる声帯ヒダの微妙な緊張状態と声門裂の開閉とによって発声が生じる。声帯ヒダの上方のヒダは前庭ヒダ(仮声ヒダ)といい、これより上方の喉頭口までを喉頭前庭とよぶ。声帯ヒダと前庭ヒダとの間には外側方に向かって紡錘形の深いくぼみができ、これを喉頭室とよぶ。この部分の粘膜にはとくに豊富な分泌腺(せん)があり、声帯ヒダの上面を滑らかにするのに役だっている。喉頭粘膜は気管や気管支の粘膜と同様に線毛をもった粘膜上皮(多列線毛上皮)であるが、声帯ヒダの表面だけは皮膚と同じ重層扁平(へんぺい)上皮で覆われている。
 喉頭筋には外喉頭筋群と内喉頭筋群とが区別される。内喉頭筋群は喉頭内に局在し、軟骨の相互の位置を変化させ、声門の開閉や声帯の緊張度の調節をつかさどっている。内喉頭筋の一つである甲状披裂筋の一部は声帯ヒダの中を走るので、この部分の筋線維を声帯筋とよぶ。
 喉頭は気道の一部であるとともに発声器となるが、また閉鎖作用をもち、食物が食道へ送られる嚥下(えんげ)の際、内腔を閉じて、食物の気道への流入を防いでいる。この場合には喉頭口と声門裂の閉鎖が行われる。[嶋井和世]

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世界大百科事典内の喉頭の言及

【音声学】より

…ただし軟口蓋の後部は上下に移動して鼻腔への通路を開いたり閉じたりすることができる。 次にのどと呼ばれている部分は咽頭pharynxと喉頭larynxに分けられる。咽頭は口から胃へ通ずる食物の道と鼻から気管に及ぶ息の道が交差している個所である。…

【咽喉】より

…咽喉頭ともいう。咽頭と喉頭を総称した名で,いわゆる〈のど〉といわれる部分。…

【発音器官】より

…鳥の鳴声はさえずり地鳴きに大別され,重要な社会的機能を果たしている。 両生類では喉頭の内部にある声帯が空気の流通に際して震動し,音を発生する。多くの無尾類の雄は,二次性徴としての鳴囊をもつ。…

【鳴管】より

…鳥類の発声器官。哺乳類の喉頭に相当するが,喉頭とは形態も位置も異なる。多くの鳥類では,鳴管は気管が2本の気管支に分かれる分岐点に位置し(気管‐気管支型鳴管),気管下部の3~6個の骨環と気管支上部の数個の半環で鼓室tympanumと呼ばれる共鳴装置を形成する。…

※「喉頭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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