多価イオン(読み)タカイオン

デジタル大辞泉 「多価イオン」の意味・読み・例文・類語

たか‐イオン【多価イオン】

多く電子をはぎ取られたイオン総称。一般的にイオン価数が2以上のものをさす。大きなポテンシャルエネルギーをもち、電子を捕獲してX線近紫外線を発する。高電離イオン。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「多価イオン」の解説

多価イオン
タカイオン
multicharged ion

中性原子または原子団分子から,2個以上の電子が取り去られて生成したイオン.質量スペクトル上には,n価のイオンはその質量数の1/nの見掛け上の質量として出現する.100 eV 程度の電子エネルギーによる電子衝撃で,Ar,Kr,Xeなどの希ガスは,三価イオンまでが観察され,芳香族炭化水素は比較的多くの,また比較的強度の大きい二価イオンピークを示す.また,真空スパーク放電などの放電を使用したイオン源固体の質量スペクトルを測定すると,ほとんどの元素の六価までの多価イオンが観測される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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