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多能工 たのうこう

知恵蔵の解説

多能工

日本の自動車生産台数は近年横ばいで、生産量の変動に対する労働力の柔軟な伸縮が不可避である。そこで会社側は、雇用期間を限定した期間従業員や派遣従業員など、「非正規従業員」の比率を生産現場を中心に増やしている。全体では3割程度、工場・工程によっては5割を超える。しかし同時に、生産品目は複雑化・多品種化しており、品種構成は常時変動する。仮に非正規従業員が複合作業に対応できない「単能工」にとどまると、数量変動と品種変動が両立せず、矛盾が生じる。こうした複雑な生産に対応し国際競争力を維持するには、複数の製品・工程で、標準作業、品質確保、異常への即応、作業改善、簡単な保全、作業指導などをこなせる「多能工」の確保が必須となる。日本の自動車企業は現在、「非正規従業員の多能工化」と「作業の簡素化」という両面作戦を採っている。まず、非正規従業員の継続雇用が3年まで可能となったことを受け、非正規従業員の実質的な多能工化を試みている。そのために、作業訓練や作業割り当ての改変のみならず、処遇面でも非正規従業員の多能的能力をきっちり評価し、賃金等に反映させる仕組みを作ろうとしている。他方、品種選択作業と組み付け作業を分離して作業を簡素化することにより、組み立て品質の向上と共に作業習熟に要する期間を短縮化し、多能工の養成を容易にする組み立て方式も試行されている。

(大鹿隆 東京大学ものづくり経営研究センター特任教授 / 藤本隆宏 東京大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

デジタル大辞泉の解説

たのう‐こう【多能工】

複数の工程に対応できる技術をもつ工員。→単能工

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

人事労務用語辞典の解説

多能工

生産・施工の現場において、1人が一つの職務だけを受け持つ単能工に対し、1人で複数の異なる作業や工程を遂行する技能を身につけた作業者のことを「多能工」と呼びます。多品種少量生産や品種・数量の変動に対応しうる柔軟な生産体制を維持し、生産性の向上を実現するためには多能工の確保が欠かせません。組織の人材を多能工として教育・訓練するしくみを「多能工化」といいます。
(2011/10/24掲載)

出典|『日本の人事部』人事労務用語辞典について | 情報

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