多額納税者議員(読み)タガクノウゼイシャギイン

大辞林 第三版の解説

たがくのうぜいしゃぎいん【多額納税者議員】

旧憲法下の貴族院における勅任議員の一。各都道府県ごとに、直接国税の多額納入者のうち満三〇歳以上の男子の中から互選された者が勅任された。任期7年。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

多額納税者議員
たがくのうぜいしゃぎいん

帝国議会の貴族院を構成する議員制度の一種。1889年(明治22)2月11日公布の貴族院令で規定された。各府県で土地所有と商工業により多額の直接国税を納める満30歳以上の男子15人のなかから1人を互選した7年任期の貴族院議員をいう。1918年(大正7)の改正で北海道と沖縄県が加えられた。さらに25年の改正では道府県の多額納税者100人のなかから1人、または200人のなかから2人の互選とし、その定数は選挙ごとの人口に応じて勅令で指定することとし、総数は66人以内と定めた。この制度では、利子、株式配当などの所得を除外して納税額を算定したため、選出される議員は大地主と商工業者中の独立経営者の代表がほとんどを占め、株式会社など法人を中心に活躍する財閥や代表的な実業家層を網羅できず、また府県間の格差も著しくなった。そうした事情から議員間の利害はかならずしも一致せず、独自の会派を結成しないで研究会や茶話会、交友倶楽部(くらぶ)など有力会派に所属した。このため、昭和期に入って改革問題が論議されたが、実現されなかった。[宇野俊一]

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