最新 地学事典 「夜久野オフィオライト」の解説
やくのオフィオライト
夜久野オフィオライト
Yakuno ophiolite
若狭湾の大島半島から岡山市西方まで幅5km, 延長250kmの帯状に分布する日本最大のオフィオライト。岡山・兵庫県境付近と京都府夜久野以東では南北2列をなす。下位から,溶け残りかんらん岩(単斜輝石を含むハルツバージャイト),火成沈積岩(晶出順序はかんらん石→単斜輝石→直方輝石・斜長石),玄武岩質火山岩(Tタイプ海嶺玄武岩と島弧ソレアイト)の順に重なる層状複合岩体で,ペルム紀以前の島弧縁海系の海洋性地殻,マントルの断片。ペルム紀付加体(超丹波帯)に衝上するナップとして産する。花崗岩類に富み,層状岩脈群を欠き,玄武岩がしばしば泥岩を挟むなどの点で典型的オフィオライトと異なる。また衝上以前に火成層序の上から下へ,ぶどう石-パンペリー石相からグラニュライト相に至る一連の変成作用を被り,モホ面での変成圧力が0.5~1GPaに達するので海洋地殻としては異常に厚かった。ロシア沿海州のオフィオライトと類似。富田達(1925)以来これら一群の岩石が夜久野の名を冠して呼ばれてきたことから石渡明(1978)が命名。
執筆者:石渡 明
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

