夜夜(読み)よなよな

精選版 日本国語大辞典 「夜夜」の意味・読み・例文・類語

よな‐よな【夜夜】

〘名〙 (「よ(夜)」に接尾語「な」の付いた「よな」を重ねたもの)
① (多く副詞的に用いて) 夜ごと。毎夜毎夜。現代では特に、良くないことについていうことが多い。
書紀(720)仁徳三八年七月(前田本訓)「時に、毎夜(ヨナヨナ)菟餓野(つかの)より、鹿(か)の鳴(ね)聞ゆること有り」
仮名草子伊曾保物語(1639頃)中「ねたなを国王いそ保を語らひ、よなよな昔今物語どもし給ふ」
② 多くの夜。よよ。
源氏(1001‐14頃)若菜下「ひとり大殿籠るよなよな多く、つれづれにて、過ぐし給ふなり」

や‐や【夜夜】

〘名〙 毎夜。よなよな。よるよる。よよ。
経国集(827)一三・夕次播州高砂〈淡海福良満〉「凄々抱霜雪、夜々宿波瀾
※二日物語(1892‐1901)〈幸田露伴〉彼一日「夜々(ヤヤ)に霜は募りて樹々に紅は増す神無月の空のやや寒く」 〔白居易‐慈烏夜啼詩〕

よる‐よる【夜夜】

〘名〙 二晩以上の夜。また、毎夜。よなよな。
※宇津保(970‐999頃)菊の宴「よるよるごとに むば玉の 衣の下に ふしわたり しののめごとに 起き居つつ」

よ‐よ【夜夜】

〘名〙 夜を重ねること。毎夜。よなよな。よるよる。やや。
千載(1187)恋三・七八三「柔らかにぬる夜もなくて別れぬるよよの手枕いつか忘れん〈藤原長能〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「夜夜」の意味・読み・例文・類語

よる‐よる【夜夜】

二晩以上の夜。また、毎夜。夜ごと。よなよな。
「―参りて、三尺の御几帳の後ろにさぶらふに」〈・一八四〉

よ‐よ【夜夜】

夜ごと。毎晩。「夜夜思い悩む」

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