大伴宿奈麻呂 (おおとものすくなまろ)
奈良時代の官人。生没年不詳。708年(和銅1)従五位に叙せられ,左衛士督,備後守,備後・安芸・周防按察使,右大弁等を歴任,724年(神亀1)従四位下に叙せられた。《万葉集》によると安麻呂の第3子,田村大嬢(おおいらつめ)・坂上大嬢の父で,田村の里に住んだという。《万葉集》巻四に作歌2首があり,また巻二には,大津皇子の宮の侍の石川女郎(いらつめ)が宿奈麻呂に贈った歌がある。
執筆者:笹山 晴生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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大伴宿奈麻呂
生年:生没年不詳
奈良初期の官人。壬申の乱(672)で活躍した大納言安麻呂の第3子。旅人の弟。田村大嬢,坂上大嬢の父。若いころ,大津皇子の宮の侍女からの贈歌が『万葉集』にみえる。和銅1(708)年従五位下に昇り,5年従五位上に。霊亀1(715)年には左衛士督に任じた。養老1(717)年正五位下に進み,3年按察使設置の際備後守で按察使となり,安芸(広島県),周防(山口県)の2国をも管した。4年正五位上,さらに神亀1(724)年従四位下に昇叙した。田村大嬢の万葉歌(巻4,759番)の左注によって,右大弁にまでなり,田村里に住んだことが知られる。自作の歌も『万葉集』に載る。
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
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出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例
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