大儺(読み)タイナ

デジタル大辞泉 「大儺」の意味・読み・例文・類語

たい‐な【大×儺】

追儺ついなで、悪鬼を追い払う役。→追儺

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「大儺」の意味・読み・例文・類語

たい‐な【大儺】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「儺」は疫鬼を追い払うこと )
  2. 大々的に疫鬼を追い払うこと。
    1. [初出の実例]「天下諸国疫疾、百姓多死、始作土牛大儺」(出典:続日本紀‐慶雲三年(706)是歳)
  3. 年中行事一つ。大晦日(おおみそか)の夜、疫鬼を追い払うための儀式。→追儺(ついな)。〔儀式(872)〕 〔呂氏春秋‐季・冬〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「大儺」の読み・字形・画数・意味

【大儺】たいだ

歳末の鬼やらい。〔呂覧、季冬司に命じて大儺し、旁(ばうたく)(犠牲をはりつけ)し、土牛を出(つく)り、以て氣をる。

字通「大」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大儺の言及

【鍾馗】より

…起源については,明の楊慎,清の顧炎武,趙翼らが考証し,鬼を撃ち追う椎(つち)〈終葵〉〈鍾葵〉がのちに同音の鍾馗という神名に変化したという。また鍾馗信仰は古代の大儺(たいだ)(鬼やらい,追儺(ついな))に発し,鍾馗の形象は仮面をつけ熊皮をかぶって大儺をつかさどる巫師〈方相氏〉から転化したという説もある。鍾馗神話はしだいに敷衍されて,明・清代には《鍾馗全伝》《斬鬼伝》《鍾馗嫁妹》など通俗小説や戯曲が現れ,庶民により親しい神となった。…

【追儺】より

…大晦日の大祓(おおはらえ)についで行われた。大儺(たいな),鬼やらいともいう。古く中国に始まり,《周礼(しゆらい)》によれば方相氏(ほうそうし∥ほうしようし)と称する呪師が熊の皮をかぶり,四つの黄金の目玉のある面をつけ,黒衣に朱の裳(も)をつけ,手に戈(ほこ)と盾(たて)とをもって疫鬼を追い出した。…

※「大儺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android