土牛(読み)ドギュウ

デジタル大辞泉 「土牛」の意味・読み・例文・類語

ど‐ぎゅう〔‐ギウ〕【土牛】

昔、大寒の日の前夜疫病をはらうために皇居門口陰陽師おんようじが立てた土製の牛の像。

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精選版 日本国語大辞典 「土牛」の意味・読み・例文・類語

ど‐ぎゅう‥ギウ【土牛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「とぎう」とも ) 大寒の日の前夜、疫病をはらうために陰陽師宮城の門口に立てた土製の牛の像。
    1. [初出の実例]「是年天下諸国疫疾、百姓多死、始作土牛大儺」(出典:続日本紀‐慶雲三年(706)一二月己卯)
    2. [その他の文献]〔礼記‐月令〕

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普及版 字通 「土牛」の読み・字形・画数・意味

【土牛】どぎゆう(ぎう)

土製の牛。立春に先だち寒気を送る祭に用いる。〔礼記月令〕(季冬の月)司に命じて大いに(だ)(儺)し、旁(ばうたく)(城門に犬牲などを披き(は)る)し、土牛を出(つく)り、以て氣をる。

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世界大百科事典(旧版)内の土牛の言及

【肉食】より

…大和王権成立後の為政者は,おそらくそうした嗜食(ししよく)の拡大が牛馬の屠殺につながることを恐れたのであろう。642年(皇極1)7月には雨乞いの祭りに牛馬を犠牲とすることを禁じ,706年(慶雲3)の飢饉時には供犠にかえてはじめて土牛を用いたことが記録されている。こうした流れの中で,675年(天武4)4月17日の詔が布告された。…

※「土牛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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