大吉山瓦窯跡(読み)だいきちやまがようせき

日本歴史地名大系 「大吉山瓦窯跡」の解説

大吉山瓦窯跡
だいきちやまがようせき

[現在地名]古川市清水 向三丁の目 大吉山

江合えあい川に沿って南東に延びる標高約五〇メートルの丘陵東側斜面に立地している。開田や道路拡幅の際に三基確認され、他にも若干の窯の存在が推定されている。未調査ではあるが、断面観察の結果、窯の構造は地下式窖窯であることが判明した。採集された遺物には、重弁蓮華文軒丸瓦・方形蓮華文鬼瓦片・アーチ形蓮華文鬼瓦片・平瓦・丸瓦がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「大吉山瓦窯跡」の解説

だいきちやまかわらがまあと【大吉山瓦窯跡】


宮城県大崎市古川小林にある窯跡。8世紀前半に役所や寺院屋根瓦を生産した施設で、古代陸奥国の官窯と考えられる。多賀城多賀城廃寺などの瓦もここで作られた。江合(えあい)川に沿って南東に延びる丘陵東側斜面に位置する。詳細は不明だが、5基の地下式窖窯(あながま)(登り窯一種で斜面をうがつなどして作られた窯)が並んでいたと推定される。蓮華文軒丸瓦(のきまるがわら)、アーチ形の蓮華文鬼板、平瓦、丸瓦などが採取されている。鬼板に「小田建万呂」という陽刻があり、丸瓦には「下」・「毛」の箆書(へらが)きが発見された。1976年(昭和51)に国指定史跡となった。JR東北新幹線ほか古川駅から車で約25分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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