大和歌(読み)ヤマトウタ

精選版 日本国語大辞典 「大和歌」の意味・読み・例文・類語

やまと‐うた【大和歌・倭歌】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 日本固有の歌。多く、唐歌(からうた)に対して和歌をいう。
      1. [初出の実例]「やまとうたは、ひとのこころをたねとして、よろづのことの葉とぞなれりける」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
      2. 「やまと哥を詠ずるならひ、昔より今にいたるまで、人のいさめにもしたがはず」(出典:後鳥羽院御口伝(1212‐27頃))
    2. 雅楽の国風の歌。新嘗祭前夜大直日歌(おおなおびのうた)にひきつづいて奏される。大和歌、大歌(おおうた)田歌などがある。大和歌、大歌には舞があり、倭舞は大和歌で、五節舞は大歌で舞われる。
  2. [ 2 ] 雅楽の曲名。国風の歌舞。倭舞の時に歌われる曲。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大和歌」の意味・わかりやすい解説

大和歌
やまとうた

日本の雅楽の種目名。大直日歌 (おおなおびのうた) ,倭歌,大歌,田歌の総称。大直日歌と倭歌は毎年 11月 22日,大歌は天皇即位式典のときに歌われる。田歌は現在では奏されない。

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世界大百科事典(旧版)内の大和歌の言及

【大和舞】より

…倭舞とも書く。その歌を〈大和歌(倭歌)〉という。律令時代には雅楽寮で教習された(《令集解》)。…

【和歌】より

…〈からうた〉(中国の詩)に対する〈やまとうた〉(日本の歌)の意であり,〈倭歌〉と書くこともあった。実際にその指すところは短歌であることがほとんどであるが,長歌,旋頭歌,片歌などの伝統的定型詩をも含めて和歌と呼んでいる。ただし歌謡,連歌,俳諧,俳句,近代詩は和歌に含めることはなく,また,近代以後の短歌も和歌と呼ぶことは少ない。以上が,現在一般的に用いられている意味での〈和歌〉の定義である。しかし細かく言えば,時代的にその意味するところは移ってきている。…

※「大和歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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