(読み)ウタ

デジタル大辞泉 「歌」の意味・読み・例文・類語

うた【歌/唄】

拍子をつけて歌う言葉の総称。また、それを歌うこと。神楽歌催馬楽さいばら今様いまようから、現今の唱歌民謡歌謡曲などまで種類が多い。
一定の音節数によって語の調子を整えた感情の表現。長歌短歌旋頭歌せどうか近代詩などの総称。
(歌)和歌。特に、短歌をさしていう。「―の道」
(唄)三味線を伴奏とする「うたいもの」の称。長唄端唄はうた小唄地唄など。
[補説]2で、近代詩の場合には「詩」とも書く。
[下接語]あずまあと糸繰り歌田舎歌稲刈り歌き歌今様歌伊呂波いろは祝い歌牛追い唄牛方唄うす江戸唄大歌置き唄踊り歌替え歌返し歌神楽歌懸け歌陰唄数え歌片歌門付かどづけ賀の歌歌舞伎かぶき神歌上方唄唐歌きねり歌口説き歌組歌久米くめ下座げざ恋歌小唄小歌腰折れ歌琴歌木挽こびき歌子守歌在郷ざいごうさお防人さきもりの歌座敷歌れ歌騒ぎ歌地歌仕事歌き歌芝居唄三味線歌祝儀歌巡礼歌畳句じょうく田植え歌田歌田打ち歌たて茶摘み歌継ぎ歌付け歌鼓唄紡ぎ歌連ね歌手鞠てまり鳥追い歌長唄長歌長持ながもち白鳥の歌鼻歌浜歌流行はやり歌引き歌ひな百首歌琵琶びわ風俗ふぞく船歌ほぎ盆歌盆踊り歌前歌馬子唄まりみじか持ち歌もと大和やまとわらべ
[類語](1歌謡ソング/(2詩歌韻文詩賦しふ吟詠ポエムバース詩編叙情詩叙事詩定型詩自由詩バラードソネット新体詩/(3和歌大和歌

か【歌】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]うた うたう
学習漢字]2年
〈カ〉
うた。「歌曲歌劇歌詞歌謡哀歌演歌凱歌がいか軍歌校歌国歌賛歌聖歌挽歌ばんか牧歌四面楚歌流行歌
うたう。「歌手歌唱歌舞謳歌おうか高歌放歌
和歌短歌のこと。「歌人歌壇歌碑歌風狂歌作歌詩歌選歌長歌連歌れんが
〈うた〉「歌会歌声船歌元歌童歌わらべうた子守歌
[難読]嬥歌かがい

か【歌】

漢詩一体もと歌謡形式楽府がふで、のちには「長恨歌」のように、古詩でも作られた。

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精選版 日本国語大辞典 「歌」の意味・読み・例文・類語

うた【歌・唄】

  1. 〘 名詞 〙
  2. リズムとメロディーを付けてことばを声に出すもの。また、そのことば。多くは楽器に合わせて歌う。歌曲、童謡、歌謡曲など。
    1. [初出の実例]「御謡(ウタよみ)して曰く、〈謡、此をば宇多(ウタ)預瀰と云ふ〉」(出典:日本書紀(720)神武即位前)
  3. リズムを主として作られた一種の文章の総称。古代からの短歌、長歌、旋頭歌(せどうか)、歌謡などや近代の詩をも含める。
    1. [初出の実例]「額田王以歌判之歌」(出典:万葉集(8C後)一・一六・題詞)
  4. 特に和歌をさしていう。五、七、五、七、七の三一音から成る短歌形式をいう。やまとうた。
    1. [初出の実例]「『御船(みふね)よりおふせたぶなり。朝北(あさきた)の出で来ぬさきに、綱手はやひけ』と言ふ。このことばのうたのやうなるは」(出典:土左日記(935頃)承平五年二月五日)
  5. 謡曲における曲節の名称。拍子に合わせて吟詠するところで、その音程を下げてうたい出すのを下歌(さげうた)、上げてうたい出すのを上歌(あげうた)という。歌地(うたじ)
    1. [初出の実例]「歌 花洛の塵にまじはり、まじはり」(出典:五音(1434頃)下)
  6. 三味線に合わせて語り、または、歌う近世の歌曲の称。浄瑠璃、祭文、長唄、小唄、歌沢、地唄、流行歌の類をいう。
  7. 歌舞伎で、幕明きや役者の舞台の出入りなどに下座でうたう音曲。
    1. [初出の実例]「『きっと云付たぞ』ト哥に成」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)六)
  8. 義太夫浄瑠璃の中にはさまれた一句、あるいはひとくだりの曲節。地唄や琴歌(ことうた)をはじめ、俗謡、流行歌をとり入れたくだり、またはそれらに似せて作曲した部分で、これによって曲節に柔らかなふくらみを生じ、曲調を変化させる効果がある。
    1. [初出の実例]「哥 鏡とぎ鏡とぎ鏡とぎ、といでやりたい世の噂」(出典:浄瑠璃・源平布引滝(1749)一)
  9. 笛の吹き口より指穴までの部分の名称。うたぐち。
    1. [初出の実例]「笛〈略〉懐竹抄笛の図に、吹口より六の孔までの間に歌とあり、今も俗に口を歌口と称す」(出典:歌儛品目(1818‐22頃)四)
  10. 鳥のさえずりをいう。
    1. [初出の実例]「汝は、鳥の歌を聞くことを好むや」(出典:小学読本(1873)〈田中義廉〉一)

か【歌・哥】

  1. 〘 名詞 〙
  2. うたうこと。節(ふし)をつけてうたうこと。また、その歌詞。韻文。もとは、声を長くひっぱることをいう。
    1. [初出の実例]「このもろもろの、菩薩妙音声をもて、無量の頌を、歌(カ)して、諸仏を讚歎したてまつる」(出典:妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)六)
    2. [その他の文献]〔書経‐舜典〕
  3. 漢詩の一体。行、吟などとともに、もと楽府(がふ)の題名に用いられ、のち七言古詩の長編を示すようになった。「長恨歌」 〔文体明弁‐楽符〕

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普及版 字通 「歌」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(異体字)謌
17画

[字音]
[字訓] うたう・うた

[説文解字]

[字形] 形声
声符は哥(か)。〔説文〕八下に「詠ふなり」、詠字条三上に「歌ふなり」とあって互訓。また謌に作り、金文は訶に作る。可は祝の器である口((さい))に対して、柯枝を以て呵責してその成就を求める意。その祈る声を呵・訶といい、その声調のものを謌・歌という。

[訓義]
1. うたう、うた。

[古辞書の訓]
名義抄〕歌 ウタ・ウタフ・ウタウタフ/倭歌 ヤマトウタ 〔字鏡集〕歌 ウタ・ウタフ・ウタウタフ・アサムク

[熟語]
歌意・歌詠・歌・歌媛・歌嘔・歌謳・歌楽・歌管・歌姫・歌戯・歌妓・歌響・歌曲・歌吟・歌弦・歌呼・歌工・歌功・歌行・歌哭・歌詩・歌詞・歌辞・歌・歌酒・歌頌・歌倡・歌笑・歌誦・歌鐘・歌唱・歌情・歌人・歌吹・歌酔・歌声・歌奏・歌台・歌鳥・歌堂・歌童・歌唄・歌板・歌舞・歌・歌・歌抃・歌舫・歌様・歌謡・歌伶・歌楼
[下接語]
哀歌・安歌・倚歌・永歌・詠歌・宴歌・燕歌・艶歌・秧歌・謳歌・雅歌・凱歌歌・概歌・楽歌・歌・歓歌・緩歌・旧歌・漁歌・狂歌・郷歌・琴歌・軍歌・献歌・弦歌・古歌・寤歌・口歌・巧歌・好歌・江歌・行歌・歌・浩歌・高歌・歌・傲歌・豪歌・国歌・載歌・作歌・山歌・詩歌・酒歌・秀歌・升歌・唱歌・商歌・笙歌・頌歌・嘯歌・樵歌・鐘歌・情歌・新歌・酔歌・声歌・清歌・聖歌・善歌・楚歌・奏歌・俗歌・卒歌・短歌・長歌・田歌・徒歌・悼歌・棹歌・登歌・答歌・踏歌・櫂歌・鐃歌・反歌・歌・輓歌・歌・悲歌・微歌・賦歌・舞歌・放歌・牧歌・妙歌・民歌・名歌・輿歌・揚歌・俚歌・離歌・流歌・櫓歌・和歌

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改訂新版 世界大百科事典 「歌」の意味・わかりやすい解説

歌 (うた)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【歌謡】より

…声楽曲の総称。うた,または,うたう,という行為を示す語としての歌謡は,中国においては古くから使われ,たとえば,《史記》《漢書》あるいは阮籍の音楽論にすでに見られる。しかし,現在の日本での使い方は,明治以降の日本文学の研究者によるもので,読まれる詩歌に対して,歌われる詩歌を強調することを目的とした。…

【唱歌】より

…歌のこと,あるいは歌をうたうこと。明治以前は,〈しょうが〉あるいは〈そうが〉と発音することが多く,証歌,章歌,正歌とも書いた。…

【宗教音楽】より

…しかし,両者の音楽とも,今日に至るまでヒンドゥー教と不可分的なつながりをもってきた。バラモン教文献はベーダと総称されるが,その歌唱の伝承は古代唱法をかなり忠実に伝えているものがあるとされている。4種の祭官に分掌される〈リグ〉〈サーマ〉〈ヤジュル〉〈アタルバ〉の各ベーダのうち,とくに《サーマ・ベーダ》などが古式を伝えている,ともいう。…

※「歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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